Intelが、22nmプロセスのチップを製造するウェハーファブの候補からアイルランドの「Fab 24」を外したという。これによって同社が設備投資を削減する可能性があると、アナリストは指摘する。
Wall Street Journal紙が2011年8月30日に掲載したアナリストリポートによると、Intelは2011年と2012年の設備投資を削減する可能性があるという。
英国の投資銀行であるBarclays Capitalでアナリストを務めるC.J. Muse氏は、同リポートで「情報筋によると、Intelは、22nmプロセスのチップを製造するウェハーファブの候補から、アイルランドのリークスリップにある『Fab 24』を外したという。Fab 24に導入する予定だった22nm製造設備を、イスラエルやアリゾナにある他のファブに転用するのか、あるいは設備投資を削減するために、製造装置の導入自体を取りやめるのかどうかは定かではない。同社はその答えを2011年9月の第2週には出すとみられる」と述べている。
Intelは、Fab 24に22nm製造設備を導入することを公式に発表していたわけではない。同社が22nm製造施設として挙げていたのは、米オレゴン州に建設中のR&D(研究開発)用ファブ「D1X」、イスラエルの「Fab 28」、アリゾナの「Fab 32」と「Fab 12」だった。
同社は2011年1月、2009年の夏に閉鎖したリークスリップの「Fab 14」に5億米ドルを再投資すると発表したが、この際、22nm製造技術の導入についてはコメントしていない。
Intelの広報は、2011年8月30日の時点では「当面は、Fab 24で22nm世代のチップを製造する計画はない」と述べている。しかしMuse氏は、本誌によるメール取材の中で、「IntelがFab 24に22nm製造設備を設置する計画を立てていたのは、ほぼ間違いないはずだ。2012年には、製造装置の導入が始まるとみられていた」と語った。
同氏はさらに、「2011年8月30日の時点では、Fab 24が22nm製造施設の候補から外れたことは確実なようだ。ただし、それ以外のことは明らかになっていない。22nm製造設備を導入する必要がないと判断したのかもしれないし、設備投資に対して慎重な姿勢をとっているのかもしれない」と述べている。
Muse氏は、「仮に、Feb 24に22nm製造設備を導入しないということが、Intelが設備投資を削減するという意味だとすると、半導体製造設備のサプライヤーの間には懸念が広がるかもしれない。しかしIntelは、2011年には約60億米ドルを、2012年には少なくとも50億米ドルをフロントエンド装置に投資するとみられている」と語る。
Intelは、2011年末までに22nmプロセスのチップの量産を開始すると発表している。22nm世代の製造プロセスには、「Tri-Gate」と呼ばれる独自の3次元トランジスタ技術が適用される予定だ。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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