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Appleの次期プロセッサ「A6」、Samsungが製造を立ち上げ――韓国紙が報道ビジネスニュース 企業動向

AppleとSamsungは、スマートフォンで互いの製品の販売差し止めなどを求めて訴訟合戦を繰り広げている。そうした背景から、Appleが次期プロセッサの製造を現行品「A5」の委託先であるSamsungからファウンドリ専業のTSMCに切り替えるという観測が広まっていた。ところがこのシナリオを覆す報道があった。

» 2011年10月18日 07時30分 公開
[Peter Clarke,EE Times]

 韓国の日刊英字新聞であるThe Korea Timesの報道によると、Samsung Electronicsは、Appleに向けてクアッドコアのアプリケーションプロセッサ「A6」の製造を立ち上げているという。半導体の受託製造サービスにおけるSamsungのライバル企業のTSMCが、同じA6チップの製造をいまだに安定化させられていないことが理由だと伝えている。同紙はこの情報の発信源は、Appleに部品を供給する匿名のサプライヤーだとしている。

 AppleとSamsungは現在、最終製品であるスマートフォンやタブレット端末では、互いの製品の販売差し止めなどを求めて、世界各国で激しい訴訟合戦を繰り広げている。それにもかかわらずAppleは、Samsungのファウンドリ事業には引き続き信頼を寄せており、Samsungは米国のテキサス州オースティンにある同社のラインで、28nm世代のCMOSプロセス技術を適用してApple向けのA6プロセッサを製造中だという。

 同紙の記事は、このA6プロセッサはAppleの次期スマートフォンに搭載される予定だと伝えている。

 記事中では、Appleに部品を供給する、韓国を拠点とする匿名のサプライヤーの幹部が語ったものとして、「Appleは、次期iPhoneに使うクアッドコアのモバイルプロセッサであるA6の出荷について、Samsungと話し合いを進めている」というコメントが紹介されている。さらに同じ人物の話として、「Samsung Electronicsは、A6プロセッサの製造に先端の28nmプロセス技術を適用するつもりだ。TSMCはAppleが設計したカスタムチップの製造を請け負うことになるが、その数量は非常に小さくなる」と伝えている。

 さらに同紙は、別のサプライヤーの幹部のコメントとして、「Appleはリスクをとっていない。SamsungはA6の製造に当たり、価格と量産キャパシティーの確保について(TSMCよりも)良い条件を提示している」と報じた。

 またこの記事によると、SamsungのCEO(最高経営責任者)であるGeesung Choi氏は記者団に対し、COO(最高執行責任者)のJae-yong Lee氏が2011年10月5日に他界したApple元CEOのSteve Jobs氏の葬儀に参列するために米国に飛んだと述べ、Lee氏が米国滞在中にAppleの現CEOであるTim Cook氏と面会し、幾つかの議題について話し合う予定だと明かしたという。

 報道では、半導体ファウンドリ大手のTSMCはApple向けA6プロセッサの試験的な製造を既に始めていると伝えられている。またTSMCについては、2012年の第1四半期に「量産設計」版のA6チップをテープアウトするという報道もある。

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