発売されたばかりのiPhone 4S。その部品コストをUBM TechInsightsが試算した。またiSuppliのアナリストは、AppleがLTE規格に対応した“iPhone 5”を発表できるようになるにはまだ時間がかかり、その時期は2012年後半または2013年半ばごろと見込む。
Appleの「iPhone 4S」の1台当たりの部品コスト(BOM)は、32Gバイト(GB)モデルで約203米ドル――。技術情報サービスを手掛けるUBM TechInsightsが、このような試算を発表した。2010年6月に発売された「iPhone 4」のBOMとほぼ同じだ(図1)。
UBM TechInsightsは、米EE Times誌と同じくUnited Business Media傘下の企業である。UBM TechInsightsは、iPhone 4SのBOMを試算するにあたり、iPhone 4Sの主要部品の価格に関する過去のデータや見積もりなどを用いたという。203米ドルの内訳には、Appleのプロセッサ「A5」の26米ドルや、高解像度を実現するRetinaディスプレイの31米ドルなどが含まれている。
UBM TechInsightsは、「Appleは、既存のiPhoneと同様に、iPhone 4Sでも高い利幅を確保できるだろう」と結論付けている。
UBM TechInsightsのビジネスインテリジェンス部門でバイスプレジデントを務めるJeffrey Brown氏は、「技術的な観点から見ると、iPhone 4Sは、非常に革新的な機能や予想外の機能を備えているわけではない。iPhone 4からの主な改良点は、A5を採用していることや電池寿命が長くなっていること、カメラの性能が向上していることなどである。特にカメラの性能は、これでようやく競合他社品に追い付いたと言えるだろう」と述べている。
Appleは2011年10月4日に、米カリフォルニア州で報道機関向けのイベントを開催し、iPhone 4Sを発表した。1080pのHD動画撮影が可能な上、音声認識によるインテリジェントアシスタント機能「Siri」を備えている。iPhone 4Sの販売は、同年10月14日に米国で開始する予定だ。販売価格は、16GBモデルが199米ドル、32GBモデルが299米ドル、64GBモデルが399米ドル。2011年10月末までには、世界22カ国以上で販売を開始する予定だという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.