などなど、最近のゆとり世代のエンジニアと話をすると、このような発言が飛び出すことが増えてきました。
上司からすれば、「理解力が無い」、「やる気が無い」と感じることでしょう。そのうち、上司のあなたの目の前で、スマートフォンをいじり始める始末です。「こいつ、仕事をナメてるのか?」と、あなたの怒りの火に油を注ぎます。
図1をご覧ください。今後、本連載で登場する架空のエンジニアリング企業「川崎テックデザイン」の組織図と人物相関図です。
入社2年目の佐々木太郎さんは、ネットワーク周辺機器の開発と販売を行う川崎テックデザインの開発部ハード開発1課に所属するハードウェア設計エンジニアです。同期は隣のハード開発2課の加藤勝也さんです。仕事の上では、長谷川裕也リーダーと田中卓課長がそれぞれ先輩と上司です。他にも20代の先輩エンジニアはいますが、皆忙しく、職場できちんと話ができる人はいません。
田中課長はそんな佐々木さんを気遣い、長谷川リーダーにOJTをお願いするものの、面倒見が良くない長谷川さんは「自分で勉強しろ」のひと言で片付けてしまいます。早く一人前のエンジニアになってほしいと願う田中課長も、部長から指示されている仕事や雑務に追われています。中途入社のマーケティング部の松田課長は、田中課長の良きアドバイザーです。
最近、同期の加藤さんが開発に携わった新製品が、近年に無い大ヒット製品になったことで、佐々木さんは加藤さんの環境をうらやましく思っています。「俺のことなんかほったらかしじゃないか…」と悩み始める佐々木さん。就活で苦労した末に、やっと入った会社です。佐々木さんは「バブル時代に入社した課長と話をしてもしようがない」と思い、ますますネガティブモードに入り込んでしまいます。職場での唯一の楽しみは、2歳年下の庶務課の山本かれんさんに会えることくらいです。
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