NXP セミコンダクターズジャパンは、「コネクテッドカー」と呼ばれるインターネット接続型自動車向け半導体事業を、成長戦略の柱と位置付ける。今回、戦略製品の1つとして、ITS(高度道路交通システム)実現に不可欠な「車車間通信」(C2C)や「車とインフラ間通信」(C2I)に向けたソフトウェア無線(SDR:Software Defined Radio)プロセッサ「SAF5100」のサンプル出荷を始めた。
NXP セミコンダクターズジャパンは2013年10月11日、オートモーティブ分野に向けた半導体製品の事業戦略などについて記者説明会を開催した。同社は「コネクテッドカー」と呼ばれるインターネット接続型自動車向け半導体事業を、成長戦略の柱と位置付ける。今回、コネクテッドカーの実現に向けた製品の1つとして、ITS(高度道路交通システム)実現に不可欠な車車間通信(C2C)や車とインフラ間通信(C2I)に向けたソフトウェア無線(SDR:Software Defined Radio)プロセッサ「SAF5100」のサンプル出荷を始めたことを発表した。
NXPは、「NXPで車とつながる」をキャッチフレーズとして、自動車向け半導体事業を展開してきた。特に通信用チップとしては自動車用途向け無線LAN「IEEE802.11p」や近距離無線通信技術「NFC(Near Field Communication)」、携帯電話通信規格「LTE」および車内ネットワーク規格の「CAN」や「FlexRay」など、さまざまな通信規格に対応するICチップを提供している。さらに、自動車向け磁気センサーや小信号ディスクリートなどでも高い市場シェアを持つ。
NXP セミコンダクターズジャパンでオートモーティブ事業部の事業部長を務める濱田裕之氏は、「単にICチップを供給するベンダーではなく、これからはシステムをサポートできる半導体メーカーでありたい。特にC2CやC2Iは自動車メーカーや行政の関係部門と一緒になってビジネスを展開していく必要がある」と話す。
続いて、NXP Semiconductorsのオートモーティブ事業部で研究開発担当ゼネラルマネージャを務めるAndrew Turley氏が自動車業界の潮流などについて語り、「当社が注目しているのは全自動走行システムである。2020年には新車の50%が運転支援システムを装備し、2025年には完全な自動走行が可能となるだろう。このため、車体制御システムはさらに複雑となり、道路交通システムなど社会インフラとのつながりなども念頭に置いたシステム開発が必要となる」と話す。
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