オン・セミコンダクターは、新潟の半導体工場の製造能力を拡張し、2014年より三洋半導体製品グループ以外の同社製品も新潟で製造を始める計画を明らかにした。また、日本における物流サービスを向上するため、千葉・成田にグローバル物流拠点を新たに開設した。
オン・セミコンダクターは2013年11月7日、日本市場における事業戦略や製品戦略などについて、記者説明会を行った。この中で、新潟の半導体工場の製造能力を拡張し、2014年より三洋半導体製品グループ以外の同社製品も新潟で製造を始める計画を明らかにした。また、日本における物流サービスを向上させるため、千葉・成田にグローバル物流拠点を新たに開設した。1日あたり400万個の出荷処理を行うことができるという。
オン・セミコンダクターは、エネルギ効率の高いパワーマネジメント製品を、「車載」、「コンピューティング」、「コミュニケーション」、「コンシューマ」、および「産業/医療/軍事・航空」と、大きく5つの分野に供給している。オン・セミコンダクターの日本法人社長を務める雨宮隆久氏は、「ON Semiconductorの2013年第3四半期(7〜9月)の売上高は、全世界で7億1540万米ドルとなった。用途別には『車載』が26%、『コンピューティング』が16%、『コミュニケーション』が18%、『コンシューマ』が20%、『産業/医療/軍事・航空』が20%という構成比率である。日本市場の売上高は全社の10%を占めた」と語る。
これら5つの事業分野は同社が戦略的に投資を行っている領域でもある。それは、過去8年間で9つの事業を買収してきたことでも分かる。これによって同社は、「顧客に対して幅広い製品ポートフォリオを提供することが可能になった」という。
今回の会見では、日本における製造拠点の再編や物流機能の強化、顧客に対する設計サポート体制の確立、などに取り組んでいくことを明らかにした。国内の前工程製造拠点については、6インチウエハーを用いた、生産効率の高い新潟の工場にウエハープロセスを集約する。その上で、2014年より汎用製品グループや応用製品グループのICチップ製造も行っていく計画である。すでにパワーデバイスの製造に必要なプロセスも導入済みだという。新潟の工場ではこれまで、三洋半導体製品グループのICチップしか製造してこなかった。また、岐阜や群馬の製造拠点は今後、ICチップの設計や開発業務を中心に行っていくことになる。
日本における物流機能も大幅に強化される。現在は群馬と成田にある2か所の施設(延べ床面積の合計は約280m2)で物流業務を行っている。今回、DHLと提携して開設した成田の新物流拠点「日本グローバル物流センター」は、延べ床面積が3350m2と広大で、1日あたり400万個の処理能力を持つという。雨宮氏は、「2012年は当社から440億個のデバイスが顧客に出荷された。オンタイムでのデリバリは重要な要素であり、(日本グローバル物流センターの業務開始により)これまで以上に安定したデバイスの物流が可能となる」と語る。
日本の顧客に対する設計サポートについては、2011年に東京へ「ソリューション・エンジニアリング・センター」を開設した。「電源/LED照明」、「車載/モータドライバ」、「コンシューマ」に関する同社の専門家が、顧客に対して応用設計の支援を行う。日本も含め、米国や韓国、台湾、中国、ドイツなど全世界に7か所の拠点を設置しており、各地域の特性に合わせた設計支援を行っている。
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