続いて、米ON Semiconductorの上席副社長兼ゼネラルマネージャであり、三洋半導体製品グループの社長を務めるMamoon Rashid氏が、「注力市場と製品戦略」について語った。前述したが、同社の注力市場とは「車載」、「コンピューティング」、「コミュニケーション」、「コンシューマ」および「産業/医療/軍事・航空」の5分野である。車載向け製品で同社の強みは、ほとんどすべての用途に関連するデバイス/モジュールを供給している点だ。このため、「車載用途で要求される品質や信頼性に対しても十分に理解している」(Rashid氏)と主張する。
コンピューティング機器向け製品は、スマートフォンやタブレット端末の台頭により、主力のPC向け需要が減少傾向にある中で、電力効率の高いICチップの開発に注力している。コミュニケーション機器向け製品は、ハンドヘルド端末から基地局用通信装置まで、その用途は広い。今回、スマートフォンに実装されるカメラモジュール向けの光学式手ブレ補正(OIS:Optical Image Stabilization)用IC「LC898111AXB-MH」を発表した。この製品は三洋半導体製品グループが開発したもので、数百万画素のカメラモジュールに適しているという。
コンシューマ機器向け製品は、「もともとON Semiconductorの強い製品分野ではあったが、三洋半導体を買収したことで、その製品力はさらに強化された」と語る。さらに、「日本の顧客にとって産業/医療/軍事・航空機器向け製品は重要となる。それは、日本企業が民生機器から、産業機器や医療用機器に製品戦略の軸足を移そうとしているからだ」と述べた。
これ以外にも、パワーマネジメント製品を展開していく上で重要なポイントとして「パッケージ技術」を挙げた。同社はパワーデバイスとして、ディスクリート製品から高耐圧のパワーモジュールまで幅広く提供している。パッケージでいえば、微小なDFN0201からIPM(Intelligent Power Module)やPIM(Power Integrated Module)といった製品まで用意し、さまざまなニーズに応えていく。
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