ソニーは「MEDTEC Japan 2014」で、細胞分析用の装置を展示した。2013年に発売した「SP6800」は、細胞にレーザーを照射し、細胞の特性を見るもの。個々の細胞にレーザーを正確に当てる必要があり、DVDやBlu-rayで培ったレーザー技術を生かした装置になっている。
ソニーは医療機器設計/製造の総合展示会「MEDTEC Japan 2014」(2014年4月9〜11日)において、細胞を分析する装置「SP6800」を展示した。SP6800はフローサイトメーターと呼ばれる装置で、内部の流路を流れる細胞にレーザーを照射し、細胞の大きさや内部構造といった特性を分析する。
ソニーの担当者は、「フローサイトメーターでは、1つ1つの細胞にレーザーを正確に照射する必要がある。当社は、DVDやBlu-rayの開発において、光を当てて微細な信号を読み取るという技術を培ってきた」と語る。「特に、Blu-rayディスクのピット(穴)の大きさは細胞1個の大きさに近く、Blu-ray技術で蓄積したノウハウをフローサイトメーターに生かせるのではないかと考えた」(同社)。
レーザーの波長を検出するフィルタの代わりに分光プリズムを搭載したことも特長だ。これにより、フィルタを搭載するよりも多くの波長成分に分光できるので、多くの種類の細胞を測定できるようになったという。
SP6800の他、特定の細胞を分取するセルソーター「SH800」も展示した。小型で、直感的に操作しやすい点を特長としている。従来のセルソーターは大型で、専任のオペレータが必要だった。ソニーの担当者は、「これまで、研究機関などでは、予約してセルソーターを使っていた。SH800は狭い実験室でも気軽に設置でき、学生でも操作できるくらい簡単に扱える。研究装置は新規参入が難しいといわれる分野の1つだが、SH800で新たな需要を開拓できた」と語った。
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