STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、ARMの最新コア「ARM Cortex-M7」を搭載した32ビットマイコン「STM32F7」シリーズを発表した。現行のSTM32F4に比べて、電力効率を落とさずに、最低でも2倍の処理性能を実現できるという。
STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は2014年9月24日、ARMの最新コア「ARM Cortex-M7」を搭載した32ビットマイコン「STM32F7」シリーズを発表した。現行のSTM32F4に比べて、電力効率を落とさずに、最低でも2倍の処理性能を実現できるという。産業機器/制御機器、民生機器、IoT(モノのインターネット)対応機器などの用途に向ける。
STM32F7シリーズは、浮動小数点ユニットと6段スーパースカラパイプライン構成により、動作周波数が最大200MHzで、1000CoreMarkの性能を実現することができる。特に、ゼロウェートステート処理を可能とするために、独立した2つのメカニズムを採用している。内蔵フラッシュメモリ用の「アダプティブリアルタイムメモリアクセラレータ(ART Accelerator)」と、外部および内部メモリ用の「L1キャッシュ」である。
独自のART Acceleratorにより、内蔵フラッシュメモリからコード実行する場合でも、1000CoreMark/428DMIPSの処理性能を達成している。また、L1キャッシュ(命令キャッシュ4kバイト、データキャッシュ4kバイト)を内蔵したことで、外付けメモリからのコード実行でも、内蔵フラッシュからのコード実行と同等の性能が得られるという。
また、汎用デュアルDMA(Direct Memory Access)コントローラおよびイーサネット専用DMAコントローラを搭載したAXI/マルチAHB(Advanced High-performance Bus)マトリックス、USB OTG HS(Universal Serial Bus On-the-Go High Speed)、Chrome- ART Acceleratorを経由するハードウェアグラフィックスアクセラレーションなどの機能も備えている。
STのマイクロコントローラ・メモリ・セキュアMCUグループ マイクロコントローラ事業部でマーケティング担当ディレクタを務めるDaniel Colonna氏は、「STM32F7のスマートアーキテクチャは5つのプロセスを同時にリアルタイムで実行することができる」と話す。
内蔵するフラッシュメモリは最大1Mバイトである。さらにSRAMはバスマトリックスに接続された共有メモリが240kバイト+16kバイト、データ用密結合メモリが64kバイトで、合計320kバイトを実装している。この他、命令用密結合メモリとして16kバイト、バックアップ用メモリとして4kバイトを、それぞれ分散して配置した。
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