Appleは積極的に買収戦略を展開している。2014年5月、CEOのTim Cook氏は、その時点までの18カ月間で24社を買収したことを明らかにした。今回は、Appleが2014年と2015年に行った買収案件の中から10件を紹介し、それぞれの狙いについて考察してみる。
「当社は時々小規模な企業を買収するが、ほとんどの場合目的や計画を話し合わない」――。買収のうわさを確かめようとAppleの広報担当者に接触すると、多くの場合、このような返答を得る。Appleは買収について自ら口を開くことは少ない。メディアを通じてそのニュースが表沙汰になるのを待っているのだ。
AppleのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏は、2014年5月に開催したカンファレンスコールの中で、同社がその時点からさかのぼること18カ月間で24社を買収したことを明らかにした。そして、「当社は、買収先をあちこちで探している」と述べている。
Appleは、それ以降も“買いあさり”を続けている。Cook氏の発言から約1年がたったが、同社はビッグデータ、マッピング技術、ディスプレイ技術、デジタル出版に注力する企業を、先を争うように買収している。2014年3月のカンファレンスコールで、Cook氏は「優れた人材と技術を備え、文化的にもAppleと調和する企業を探している」と話していた。
Appleにとって買収金額は大した問題ではないとはいえ、手に入るならどの企業にも法外な金を支払うというわけではない。Cook氏は2014年に「われわれは適正と思う価格を支払う。Appleにとって重要なのは、戦略的に筋が通るという点と、長い目で見て、当社の株主に付加価値を与えることになる点だ」と述べている。
さらにCook氏は2014年、Appleはさらに買収を続けていくと説明し、「いくつかのケースについては、あえて発表はしないが、中には、隠してはおけないケースもあるだろう」としている。
Appleに関して言えば、テクノロジーについてのうわさは常について回る。秘密裏に済んだはずの買収が明るみに出ても不思議ではない。そこで、過去1年間で明らかになった10社の買収と、それらがAppleの将来にどう影響するのか検証してみよう。
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