オムロンは、ネットワークカメラセンサー「HVC-C2W」を開発した。コンセプトは“家族目線”。表情や性別などを認識し、その結果を無線でモバイル端末へ送信することで、外出先からも赤ちゃんやペットの様子を確認できる。同社が20年近く開発してきた独自のセンシング技術で実現した。
オムロンは2015年8月25日、手のひらサイズのネットワークカメラセンサー「HVC-C2W」を開発したと発表した。表情や性別、年齢など13項目の検出・推定機能を持ち、認識した結果を無線でモバイル端末に送ることで、外出先からも赤ちゃんやペットの様子を確認できる。
従来の画像センサーはIoTやビッグデータによって需要が増加しているが、カメラや処理システムは高度な知識や技能を必要としていた。HVC-C2Wは、いつでもどこでも簡単に使えることを目指したという。そのコンセプトは“家族目線”。「ずっと見て、気付いて、知らせてくれるもう1人の家族として暮らしをサポートする」(同社)と語る。
価格は、2万9800円(税込)。2015年9月11日からAmazonで発売され、楽天市場でも9月中に発売するとしている。2015年度中に、1万台の販売を目指す。
HVC-C2Wの仕様は、以下のようになっている。
検出・推定機能:顔検出、手検出、人体検出、ペット検出、動体検出、音声検出、顔認識、性別推定、年齢推定、表情推定、顔向き推定、視線推定、目つむり推定
解像度:1280×720pixel
画角:100度
外形寸法:カメラセンサー部は、幅70mm×奥行42mm×高さ70mm/スタンド取付時(直立状態)は、幅70mm×奥行67mm×高さ147mm
重量:カメラセンサー部は100g/スタンド取付時総量は287g
入出力インタフェース:IEEE 802.11 b/g/n
使用環境温度:0℃〜35℃
HVC-C2Wは利用するは、専用のアプリが必要になる。9月11日の発売時点では、赤ちゃん見守り用の「家族目線 あかちゃん」とペット見守り用の「家族目線 ペット」がAndroid版でリリースされる。iOS版は9月下旬から対応予定だ。Android4.1以降、iOS7.0以降に対応する。
アプリをダウンロード後、HVC-C2Wを無線LANに接続することで、クラウドに送られた画像をアプリで見ることが可能だ。例えば、赤ちゃん見守り用のアプリだと「音声」と「動き」を感知し、本気泣きの前に、ぐずり始めたら通知してくれる。笑顔を自動で撮影したり、暗い場所でも撮影したりできるので、見逃しているかもしれない豊かな表情を、後から見ることもできる。
表情や性別などを認識するセンシング技術は、同社が20年近く開発を続けている独自の顔画像センシング技術「OKAO Vision」によって実現した。HVC-C2Wでは、同技術をフルに活用したことで、上記13項目の検出・推定が可能となっている。
同技術は、これまでデジタルカメラやモバイル端末、ロボットなどの組み込み機器で使われており、小さな端末でも高い検出・認識性能をリアルタイムで実現することから、今までに5億ライセンス以上の出荷実績があるという。
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