日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、高度なリアルタイム処理とマルチメディア処理の機能を1チップに集積した組み込みシステム向けSoC「Sitara」で最上位ファミリとなる「AM57x」製品を発表した。産業用ロボットやマシンビジョン、医療用画像処理などの用途に向ける。
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は2015年10月15日、高度なリアルタイム処理とマルチメディア処理の機能を1チップに集積した組み込みシステム向けSoC「Sitara」として最上位ファミリとなる「AM57x」製品を発表した。産業用ロボットやマシンビジョン、医療用画像処理などの用途に向ける。
AM57x製品ファミリは、演算コアとしてARM Cortex-A15コアとTIのDSPコア「C66x」をそれぞれ最大2個、リアルタイム処理向けにARM Cortex-M4コアを2個、PRU(プログラマブルリアルタイムユニット)コア4個をそれぞれ内蔵した、ヘテロジニアスアーキテクチャのSoC製品である。
これらのコアに加え、産業用通信向けのインダストリアルコミュニケーションサブシステム(ICSS)や、ギガビットイーサネット、USB 3.0などの高速ペリフェラル群、3Dグラフィックアクセラレータといった機能も統合している。このため、高性能かつ多機能な製品の主要な回路ブロックを1チップで実現することが可能となった。
AM57x製品ファミリは、ソフトウェアと端子接続の互換性を維持しつつ、内蔵するコア数や動作周波数などによって、5製品を用意した。「AM5726」と「AM5728」は、プロセッサコアとして、動作周波数が最大1.5GHzのARM Cortex-A15コアと最大750MHzのC66xをそれぞれ2組内蔵している。「AM5716」と「AM5718」は、最大1.5GHz動作のARM Cortex-A15コアと最大750MHz動作のC66xをそれぞれ1組搭載した。また、AM5716の品番でCPU及びDSPの動作周波数がいずれも最大500MHzという製品も別モデルで用意している。
このうち、「AM5728」と「AM5718」は、マルチメディア処理に対応した製品となっている。CPUコアやDSPコアとは別に、最大2個の3Dグラフィックスアクセラレータ「SGX544」と、2Dグラフィックスアクセラレータ「GC320」を集積している。1080p/60fps対応のビデオアクセラレータとマルチディスプレイのサポートにより、高品位のビデオ映像を再生することができる。また、6台以上のカメラで撮影した映像信号を入力することも可能で、全方位の視覚化も1チップで対応可能となる。
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