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IoT向けネットワークに新興企業が参入競争が活発に

IoT向けの超低消費電力ネットワークは、フランスのSigfoxやLoRa Allianceが力を入れている。同ネットワークをめぐる競争に、米国の新興企業Silver Spring Networksが加わることになった。

» 2015年12月14日 09時30分 公開
[Rick MerrittEE Times]
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 米国Silver Spring Networks(以下、Silver Spring)はIoT(モノのインターネット)向け広域無線ネットワークを提供することで、参入が相次ぐ同ネットワーク市場の競争に加わった。「Starfish」は同社が当初スマートメーター向けに開発した900MHz帯ネットワークの公共向けバージョンである。

 既存のセルラーM2M(Machine to Machine)ネットワークには、コスト削減と省電力化のニーズがあるが、現在、十数社の企業がそれらのニーズに応えるべくしのぎを削っている。Silver Springは、現在市場のトップを走るSigfoxやLoRa Allianceのネットワークを大幅に上回るスループットと待ち時間を比較的低コストで実現できると確信している。

 Silver Springのネットワークの最新バージョンでは、最大1.2メガビット/秒(Mbps)のデータ伝送を実現する他、1ホップ当たりの遅延が10ミリ〜50ミリ秒に抑えられるという。さらに、ポイント・ツー・ポイントの通信距離は最大50マイル(80km)だという。

 ただし、市場調査会社Machina Researchのアナリストで、IoTネットワーク市場の観測を手掛けるAapo Markkanen氏は、Silver Springが主張する900MHzネットワークの性能について懐疑的な見方を示した。同氏は、「彼らが主張するデータ伝送速度や遅延、通信距離は、1つ1つであれば実現できるかもしれない。ただ、現実の世界に実装すると、想定していた性能というのはあらゆる面で大幅に低下するものだ」と述べている。

サンノゼなどに導入予定

 Starfishネットワークは、まず、米国カリフォルニア州サンノゼを含む7つの都市に導入される予定だ。サンノゼ以外では、イリノイ州シカゴの他、インド カルカッタ、デンマーク コペンハーゲン、英国のブリストルとグラスゴーなどで採用される予定だ。

 Starfishは実証済みの技術を武器に、IoT向け公共ネットワーク市場に新規参入した。同社は独自のIEEE 802.15.4g無線(Wi-SUN)およびメッシュネットワークを、これまでに2230万以上のノードを配備した。ただしこれらは全て、公共施設などにおけるプライベートネットワークとして実装されている。

 Starfishは過去2年間にわたり、同社のネットワークが街頭などのスマートシティーの用途にさらに利用されるよう取り組み、それを実現してきた。Publish StarfishによるIoT向けパブリックネットワークサービスの本格展開を推し進めたのは、かつてAppleやIntelで重役を務めたMike Bell氏である。Bell氏は2015年9月下旬に最高経営責任者としてPublish Starfishに加わった。

 Starfishは、まだ初期段階だ。Bell氏は価格設定を明らかにしていない。価格は、同ネットワークを実装する都市の今後の計画や、ハードウェア開発キットなどに依存するからだ。ただしSilver Springは、Sigfoxのユーザーの取り込みを狙い、1カ月当たり、16バイトのメッセージを5000通まで送信できる無料のサービス「Haiku」を発表している。

 Silver Springは2013年に株式を公開したメーカーだが、売り上げが思うように成長せずに苦戦している。同社の2015年度第3四半期(7〜9月期)は、利益が490万米ドルで、損失が700万米ドルだった(non-GAAPの値)。

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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