IoTデバイス設計を簡素化、マルチプロトコルSoC : 実運用に近いソフトウェアスタックを強みに (2/2 ページ)
IoTのように大規模にセンサーデバイスが展開されるときに鍵になるのは、“消費電力”だ。Wireless Geckoは、CPUのスリープ時にペリフェラルを自律的に動作させることができるPRS(Peripheral Reflex System)を搭載している。PRSに加えて、DSP機能を備えたARM Cortex-M4コアにより低消費電力を実現したとする。アクティブモードの電力消費は63μA、ウエイクアップまでは1.4マイクロ秒となっている。
「Wireless Gecko」ポートフォリオ (クリックで拡大) 出典:シリコンラボ
Wireless Geckoでもう1点注目したいのが、統合開発環境のSimplicity Studioである。Simplicity Studioは、PCで無償ダウンロードできるアプリケーションとなっており、同社は「RF部分を容易に開発できるようになる」と語る。
また、電力効率をリアルタイムで把握しバッテリー寿命の最適化ができる「Energy Profiler」や、ネットワークのパケットの様子を監視できる「Network Analyzer」も利用できるという。今までのマイコン開発で使用していたソフトウェアを利用可能だ。
統合開発環境ツール「Simplicity Studio」の概要 (クリックで拡大) 出典:シリコンラボ
シリコン・ラボラトリーズでIoT製品のマーケティング担当バイスプレジデントを務めるDaniel Cooley氏 (クリックで拡大)
同社は今回、3種類それぞれの開発キットも提供し、「ソフトウェアスタックを含めて、多くの機能を実運用に近いレベルで提供できるだろう」とした。また、SoCだけでなくモジュール製品もサポートしている。
シリコンラボでIoT製品のマーケティング担当バイスプレジデントを務めるDaniel Cooley氏は、「2016年はIoT元年となるだろう。当社は、IoTのコネクティビティで、コスト/消費電力/セキュリティを満たす製品を提供できる。IoTのリーディングカンパニーとして市場を引っ張っていきたい」と語った。
シリコンラボ初代CMOが語る“IoT時代の戦略”
シリコン・ラボラトリーズで初となる最高マーケティング責任者(CMO)に2014年4月に就任したMichele Grieshaber氏が来日し、EE Times Japanのインタビューに応じた。同社の強みである“コネクテッド”、“ローパワー”に関する技術を生かし、IoT(モノのインターネット)市場へ向けたさまざまな製品を提供していくという。
東芝 低消費のBLE向け無線受信アーキテクチャ
東芝は、Bluetooth Low Energy(BLE)向けの無線受信アーキテクチャを開発した。従来のアナログ回路を用いた無線受信機に比べて、消費電力を約10%も削減することが可能となる。
IoE向けの超低消費電力無線チップ
今回はセッション24〜26を紹介する。「ワイヤレス通信」がテーマとなっているセッション24では、IoE(Internet of Everything)向けの低消費電力無線チップの発表が相次ぐ。ソニーとソニーLSIデザインが開発した、消費電力が1.5mW〜2.3mWと低いGNSS(全地球航法衛星システム)受信器などが発表される。
コイン電池で7万時間駆動するBluetooth用LSI
ラピスセミコンダクタは2015年11月16日、コイン電池で約7万時間駆動を実現するBluetooth Smart用2.4GHz無線通信LSI「ML7125」を開発した。電池駆動時間は従来品よりも2.6倍ほど長いとする。
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