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鴻海のシャープ支援、3888億円で4月2日に決着へ当初より1000億円減額

シャープは2016年3月30日、同年2月25日に発表していた鴻海精密工業グループを割当先とした第三者割当増資決議の内容を修正したと発表した。

» 2016年03月30日 18時00分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]

5100億円の返済期限は1カ月延長

 シャープは2016年3月30日、同年2月25日に発表していた鴻海精密工業グループを割当先とした第三者割当増資決議の内容を修正したと発表した。第三者割当増資により得る資金は当初より1000億円程度減少し、約3888億円となった。鴻海との最終契約については、「2016年4月2日に締結する予定」(シャープ)。

 経営再建中のシャープは、2016年2月25日に鴻海から提案を受けていた支援策を受け入れることを決め、鴻海グループを割当先とする第三者割当増資を実施し、4890億円の資金を得ると発表していた。しかし、ディスプレイデバイス事業の収益悪化、中国市場における市況悪化などの影響で、当初営業黒字を見込んだシャープの2016年3月期業績が下振れし営業赤字となる見通しとなり、鴻海側が出資条件の見直しを要求。その後、両社で協議を進め、最終的に鴻海の出資額を当初より約1000億円減らす内容で落ち着いた。

 シャープは、鴻海側から「契約に必要な決議が完了している旨の通知を受けている」とし、当初予定の2月末よりも1カ月以上の遅れとなる2016年4月2日に最終契約が結ばれることが確実となった。なお、シャープは5100億円のシンジケートローン(協調融資)の返済期限が2016年3月末に迫っていたが、返済期限を同年4月30日まで延長することで融資元と合意している。

 また鴻海の出資額が3888億円となったことで、シャープは資金の使途と投資期間の見直しも発表。中小型液晶ディスプレイ領域への投資規模を当初の1000億円から600億円に減額させるなど、各事業領域で投資規模、投資期間を縮小しているが、有機ELディスプレイ領域へ投資のみは、縮小せず、2000億円という当初通りの投資計画を維持している。

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