東芝は2016年3月18日、2016年度(2017年3月期)事業計画説明会を開催し、2016年度に全事業を黒字化させるという経営再建策の進み具合と、2018年度売上高5兆5000億円、純利益1000億円を暫定目標に据えた成長戦略を発表した。
不正会計問題などに端を発して経営不振に陥っている東芝は、2015年度(2016年3月期)末の完遂を目指し、構造改革策「新生東芝アクションプラン」に取り組んでいる。
2016年度事業計画説明会が開催された2016年3月18日の前日には、同改革策に基づき譲渡先を模索していた医療機器事業と白物家電事業について、それぞれキヤノンと中国・美的集団と合意に至ったと発表*1)。この結果、2015〜16年度にかけ、医療機器事業売却で得る6880億円をはじめ、現状譲渡額が決まっていない白物家電事業売却益や保有株式売却益2000億円など1兆円以上の資金を創出し、財務基盤強化を図る方針だ。
*1)関連記事:東芝、中国・美的への白物家電事業売却を発表
医療機器、白物家電事業同様、他社との再編を検討しているPC事業についても、黒字化を目指した人員削減策や開発品種削減策などを「計画通り進め、黒字化に向けて一定のメドがついた」(東芝社長室町正志氏)とし、その上で「他社との再編も並行して検討中。私どもとしては、2016年度第1四半期中に決着をつけたい」とした。
また、白物家電事業子会社の株式の大半を譲渡する美的集団とは、従業員、国内外拠点は維持する方向で協議を実施していることを明かした他、東芝系列の家電販売店である「東芝ストア」を含む販売網との取引は譲渡後も「継続する」(室町氏)と明言。「国内や東南アジアでは東芝ブランドは維持される」ともした。
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