一方で右の図はソニーが発売した「Google TV」対応端末「BRAVIA Smart Stick」のリモコンだ。板チョコレートほどのサイズのリモコンには表面にスクロールボタン、タッチパッドなどがところ狭しと並び、裏面にはフルキーボードが備わっている。たった6つのボタンとスクロールのみのBaiduのリモコン、5つしかボタンのないAppleTVのリモコン、4つのボタンとスクロールしかないNexus Playerのリモコンに比べると、ソニーのリモコンの複雑さは際立っている。
スティック型コンピュータは、あくまでもテレビなどにつないで使う簡易マシンである。一方でソニーのリモコンは、コンピュータのミニチュア化に基本をおいている。
Baiduの影棒は初代から最新製品まで、GoogleやApple製品と同じくシンプルを貫いている。インターネットの閲覧が前提の場合、ボタンを増やさなくても使い勝手に問題はない。同じTV BOXでもソニー品とはコンセプトが異なる製品なのだ。
図2は影棒3のリモコンおよび本体を開封した様子である。ステレオラインドライバICとリモコン用ICでは、ともに中国製の半導体が活用されている。両チップともに決して多機能ではないが、欠かせないものだ。かつては日本製半導体が大いに活用された機能でもある。ひと昔前のリモコンチップはほとんどが日本製であった。
しかし2010年辺りを境に中国製チップが多くのリモコンやオーディオ用ドライブICに採用されるようになってきた。
大型家電量販店やホームセンターなどで売られる多くの多機能リモコンや簡易なタイマー製品などのほとんどに中国製またはアジア製の半導体が採用されている。この辺りは次回、“日本の日常生活に入り込む中国チップ”として報告する予定だ。
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