ソフトバンクは、2016年7月21〜22日にザ・プリンス パークタワー東京で開催した「SoftBank World 2016」で、「IT・IoTが変えていく超産業化と暮らし」と題して講演を行った。
ソフトバンクは、2016年7月21〜22日にザ・プリンス パークタワー東京で法人向けイベント「SoftBank World 2016」を開催した。同イベントでは、同社のパートナーや製品導入企業による講演、展示などが行われた。
本記事は、同社の法人事業開発本部 事業戦略企画室で室長を務める荒木健吉氏による講演「IT・IoT(モノのインターネット)が変えていく超産業化と暮らし」を紹介する。
IoTの普及によって、多くのデバイスやセンサーがインターネットにつながる時代を迎えようとしている。2020年、デバイスやセンサーの数は500億に到達すると予測されている。この“500億”という数字は、聞いたことがある人も多いだろう。
荒木氏は、「注目したいのは、IoTネットワークの入り口がどこなのか」と語る。市場調査会社Machina researchとEricssonの統計調査によると、2025年のIoTネットワーク構成予測では、ビル内のPLC(Programmable Logic Controller)やWi-Fi、Bluetooth、サブギガヘルツ帯などの「Short Range」が約70%を占めるという。
LTEなどの公衆無線とLPWAネットワークを合わせて約25%。衛星通信や固定網が残りの5%を占めると予測されている。荒木氏は、IoTネットワークにおいて、LTE、LPWAネットワークが拡大するには3つの条件が必須になると指摘する。
1つ目は、シンプル設計による低価格化である。2つ目は、省電力。IoTやM2M(Machine to Machine)の機器は、固定設置が多いため、電源工事がないことを求められる。3つ目は、カバレッジの向上だ。「固定設置をしたときに、シャッターが閉まると通信ができないとか、季節要因によって通信が不安定になってしまうケースがあった」(荒木氏)。どのような環境でも、電波が安定するカバレッジの向上が必要になるとする。
荒木氏は、「3つの必須条件を満たすのは、LPWAネットワークと言いたい」と語る。LPWAネットワークは、ライセンスとアンライセンス周波数帯で分かれている。アンライセンスは、SigfoxやLoRaなどが有名だ。しかし、荒木氏は、「アンライセンス周波数帯は、国内においてあまり実績がない」と指摘する。
つまり、3GPPが標準化を進めるIoT向け規格「LTE Cat-M1」「LTE Cat-M2」などのライセンス周波数帯が、3つの必須条件を実現するIoT向けインフラになるとしている。
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