太陽誘電とGEベンチャーズの両社は2016年7月、2014年末から半導体パッケージ基板などに応用可能なワイヤボンド不要の電子部品内蔵基板技術分野で協業していることを明らかにした。
太陽誘電とGEベンチャーズは2016年7月25日、ワイヤボンドを使用せずに回路基板内に電子部品を内蔵する「内蔵エレクトロニクス回路」の商用化に向けて共同開発体制を構築すると発表した。
両社は2014年末から、GEベンチャーズが電子回路内蔵基板を製造するための知的財産を太陽誘電にライセンスする形で連携。電力用途など向けの半導体パッケージ用基板として開発を進めてきたという。
今後も両社は、シリコンやSiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)を用いたパワーデバイスに向けた部品内蔵基板の開発を実施していく。開発技術により、「寄生容量が減るなど電気的性能は大幅に向上し、電子回路の機能的密度を3倍にでき、効率も10%以上向上することができる」(両社)という。
太陽誘電の開発研究所長を務める岸弘志氏は「太陽誘電はGEのパワーオーバーレイ(POL)技術を用いて、パワーデバイス、モノのインターネット(IoT)およびウェアラブルアプリケーションをターゲットとしていきたいと考えている。この技術は、太陽誘電の現行のパッケージングおよび組立技術の能力と経験という強みを活用して、さらに新たなアプリケーション開発を可能にする」とコメントしている。
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