ルネサス エレクトロニクスが、2016年12月期第1四半期(4〜6月期)の業績を発表した。売上高は1520億円で前四半期に比べて9.4%減少したが、営業利益は186億円で、前四半期の157億円から増加した。
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2016年8月10日、2016年12月期第1四半期(4〜6月期)の業績を発表した。売上高は1520億円で、前年同期比15.2%減、前四半期(2016年3月期第4四半期)比9.4%減だった。営業利益は186億円で、前年同期の324億円からは42%減少したものの、前四半期の157億円から18%増となっている。売上総利益率は42.8%で、前年同期比で1.7ポイント減、前四半期比では2.0ポイント増となった。営業利益率は12.2%で、前年同期比で5.8ポイント減、前四半期比で2.8ポイント増となっている。
ルネサスは2016年6月に、同年12月期第1四半期の業績予想を発表したが、特に半導体分野で予想を上回る需要があったことから、予測値よりは上振れする結果となった。
ルネサス最高財務責任者(CFO)の柴田英利氏は、「売上高の減少は円高および熊本地震による影響が大きかった。熊本地震による震災からの復旧に奔走し、新規受注がスローダウンした。ただし季節要因による製造固定費の減少や構造改革の効果により、売上総利益率は、前四半期に比べて増加した」と、2016年12月期第1四半期を振り返る。
半導体の売上高は1475億円。前四半期比で9.6%の減少となった。前四半期に比べ、為替の影響で50億円の減少、震災の影響で130億円の減少となっている。「予想を上回る需要」については、「特定の製品に対する需要というわけではなく、自動車や産業機器、FA(ファクトリーオートメーション)分野向けの製品が予想よりも好調だった」(柴田氏)と説明した。
2016年4月14日に発生した熊本地震で、前工程製造拠点であるルネサス セミコンダクタマニュファクチャリング川尻工場が被災した。だが、2011年の東日本大震災で得た教訓を生かし、わずか1週間後の4月22日から一部工程で生産を再開し、5月22日には完全復旧のメドがついた*)。
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