テレダイン・レクロイ・ジャパンは2016年9月1日、広帯域、高速サンプリング、高分解能を実現したオシロスコープ「HDO9000シリーズ」を発表した。新しく採用した「HD1024テクノロジー」により、帯域を犠牲にせず高分解能を実現。4GHz帯で10ビットの縦軸分解能を提供するという。
テレダイン・レクロイ・ジャパンは2016年9月1日、1G〜4GHzの帯域、40Gサンプル/秒のサンプリング速度、10ビットの分解能を実現したオシロスコープ「HDO9000シリーズ」を発表した。高速デジタル回路のデバッグ解析やシリアル通信測定・解析、レーザーパルス/放電などの物理測定に向くという。
また、15.4インチの大型画面を搭載し、タブレット感覚で操作できるUI「OneTouch MAUI(ワンタッチマウイ)」によって、直感的な操作性を実現している。メモリ長は、最大128Mポイント。帯域が1GHz、2GHz、3GHz、4GHzの4機種があり、それぞれの帯域モデルに、16チャンネルのデジタル入力を備えた「HDO9000-MSシリーズ」がある。価格は333〜626万円(税別)となっており、2016年12月29日まではキャンペーン価格で提供する。
HDO9000シリーズは、同社が2016年4月に発表したミドルレンジのオシロスコープ「WaveRunner 8000シリーズ」の上位モデルとなる。WaveRunner 8000シリーズも、HDO9000シリーズと同じ帯域とサンプリング速度を実現しているが、分解能が8ビットである。同社代表取締役の原直氏は「多くの顧客が、広帯域で高分解能の製品を希望していた」と語る。
同社は今回、4GHz帯で10ビットの縦軸分解能を提供する「HD1024テクノロジー」を採用。HD1024テクノロジーは、一般的な「時間軸インターリーブ」に加え「縦軸インターリーブ」技術によって、帯域およびサンプリング・レートを犠牲せずに高分解能を実現する。これにより、美しく鮮明な波形が表示でき、従来見ることができなかった信号の詳細が把握可能だ。同社アプリケーションエンジニアの伊藤渉氏によると、「HD1024テクノロジーは、ハイエンド品の技術を応用して開発した。当社のオシロスコープで初めての適用になる」という。
また、最適化フィルターを組み合わせると、帯域は狭くなるが、10ビットを超える分解能を実現できるとする。最大で13.8ビット(20MHz帯)まで向上できる。
HDO9000シリーズは、汎用の標準ツールセットに加えて、専用のアプリケーションパッケージにより、デジタルフィルターやスペクトラム解析、スイッチング電源の解析などのデバッグが可能になる。シリアルデータパッケージは、HDO9000シリーズが既に持つ、演算、計測、デバッグ、ドキュメンテーションなどの機能をさらに強化するとした。
原氏は、これからの販売戦略として、2016年12月29日までの発売記念キャンペーン実施に加えて、現顧客層の拡大と販売代理店網のフル活用を挙げた。
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