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基本を極める、テクトロが新型ベーシックオシロより大きく、長く、精細に/もっと簡単、確実に(1/2 ページ)

テクトロニクスは、ベーシックオシロスコープ「TBS2000」シリーズを発表した。新たに強化した波形の観測と測定機能を、次世代のベーシックオシロスコープの新基準と位置付ける。

» 2016年08月04日 09時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

さまざまなクラス初の性能を実現、次世代の新基準

 テクトロニクスは2016年8月3日、次世代のベーシックオシロスコープ「TBS2000」シリーズを発表した。ベーシックオシロスコープというカテゴリーにおいて、クラス最大の表示画面サイズや水平軸15divを採用するなど、波形の観測/測定機能をこれまで以上に強化した。

 同社はこれまでさまざまな用途に対し、ベーシックモデルから高性能モデルまで多様なオシロスコープを提供してきた。特に、ベーシックモデルとしては、10年以上も前から「TDS2000」シリーズを供給しており、グローバルスタンダードとして世界中の技術者や学生に利用されてきた。その出荷実績は世界中で80万台を上回るという。

 ところが、ベーシックオシロスコープの利用者においても、メイカーズ(MAKERS)と呼ばれるモノづくりベンチャーの台頭などもあり、より高度で洗練された測定器に対する要求が高まっている。そこで、テクトロニクスは、現行のベーシックオシロスコープでは対応できない新たな課題を解決できる新製品を開発し、市場に投入する。

 TBS2000シリーズは、周波数帯域が70MHzと100MHzの2モデルあり、それぞれにアナログチャネル数が2チャネルタイプと4チャネルタイプを用意した。同社が定義する「ベーシックオシロスコープ」とは、波形の観測と測定を主たる機能とし、周波数帯域は100MHz以下、価格帯は30万円以下の製品と位置付けている。TBS2000シリーズは、この製品カテゴリーで「クラス最大」「クラス最長」「クラス初」の機能を盛り込んだ。

TBS2000シリーズ(右下は従来のTDS2000シリーズ)とテクトロニクスの代表取締役を務める米山不器氏 (クリックで拡大)

 その1つは9型ワイド液晶ディスプレイと、水平15divの信号表示を採用したことである、従来の水平10divに比べて、時間軸で観測範囲を50%広げた。これによって、これまで表示されなかった信号も観測できるようになった。

クラス最大の9型ワイド液晶ディスプレイと、クラス最長の水平15divの信号表示を採用 (クリックで拡大) 出典:テクトロニクス

 最大レコード長は20Mポイントである。従来の2.5kポイントに比べると8000倍に増え、長時間の信号取り込みを可能とした。また、ズーム/パン機能によって、取り込んだ波形の中から、観測したい目的の波形を比較的簡便に見つけ出すことができる。

最大レコード長はクラス最長の20Mポイント。ズーム/パン機能によって目的の信号を簡単かつ詳細に観察することができる (クリックで拡大) 出典:テクトロニクス

トリガー機能を強化

 また、信号を捕捉するトリガー機能も強化した。一般的には「エッジトリガー」や「パルス幅トリガー」機能が搭載されている。TBS2000シリーズには、同等クラスのオシロスコープには搭載されていない「ラントトリガー」機能を装備した。信号の「立ち上がり」や「立ち下がり」が十分でない、不完全なパルス信号の検出に有効だという。さらに、取り込んだ信号波形とFFTした波形を同一画面上に見やすく表示する機能などもサポートしている。

TBS2000シリーズは不完全なパルス信号の検出に有効な「ラントトリガー」機能を装備 (クリックで拡大) 出典:テクトロニクス
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