テクトロニクスは、ベーシックオシロスコープ「TBS2000」シリーズを発表した。新たに強化した波形の観測と測定機能を、次世代のベーシックオシロスコープの新基準と位置付ける。
テクトロニクスは2016年8月3日、次世代のベーシックオシロスコープ「TBS2000」シリーズを発表した。ベーシックオシロスコープというカテゴリーにおいて、クラス最大の表示画面サイズや水平軸15divを採用するなど、波形の観測/測定機能をこれまで以上に強化した。
同社はこれまでさまざまな用途に対し、ベーシックモデルから高性能モデルまで多様なオシロスコープを提供してきた。特に、ベーシックモデルとしては、10年以上も前から「TDS2000」シリーズを供給しており、グローバルスタンダードとして世界中の技術者や学生に利用されてきた。その出荷実績は世界中で80万台を上回るという。
ところが、ベーシックオシロスコープの利用者においても、メイカーズ(MAKERS)と呼ばれるモノづくりベンチャーの台頭などもあり、より高度で洗練された測定器に対する要求が高まっている。そこで、テクトロニクスは、現行のベーシックオシロスコープでは対応できない新たな課題を解決できる新製品を開発し、市場に投入する。
TBS2000シリーズは、周波数帯域が70MHzと100MHzの2モデルあり、それぞれにアナログチャネル数が2チャネルタイプと4チャネルタイプを用意した。同社が定義する「ベーシックオシロスコープ」とは、波形の観測と測定を主たる機能とし、周波数帯域は100MHz以下、価格帯は30万円以下の製品と位置付けている。TBS2000シリーズは、この製品カテゴリーで「クラス最大」「クラス最長」「クラス初」の機能を盛り込んだ。
その1つは9型ワイド液晶ディスプレイと、水平15divの信号表示を採用したことである、従来の水平10divに比べて、時間軸で観測範囲を50%広げた。これによって、これまで表示されなかった信号も観測できるようになった。
最大レコード長は20Mポイントである。従来の2.5kポイントに比べると8000倍に増え、長時間の信号取り込みを可能とした。また、ズーム/パン機能によって、取り込んだ波形の中から、観測したい目的の波形を比較的簡便に見つけ出すことができる。
また、信号を捕捉するトリガー機能も強化した。一般的には「エッジトリガー」や「パルス幅トリガー」機能が搭載されている。TBS2000シリーズには、同等クラスのオシロスコープには搭載されていない「ラントトリガー」機能を装備した。信号の「立ち上がり」や「立ち下がり」が十分でない、不完全なパルス信号の検出に有効だという。さらに、取り込んだ信号波形とFFTした波形を同一画面上に見やすく表示する機能などもサポートしている。
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