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千載一遇のチャンスだったルネサスのIntersil買収会見詳報(2/2 ページ)

» 2016年09月13日 17時20分 公開
[庄司智昭EE Times Japan]
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「競争の中、ギリギリの価格で獲得できた」

 会見では、呉氏がIntersil買収に至るまでの経緯についても言及。「買収に至る最後には、競争があった。今回、Intersilの株を1株当たり22.50米ドルで支払うが、0.5米ドルで刻んでいるように、競争の中でギリギリの価格で獲得できたのだ(関連記事:ルネサスにMaximが対抗? Intersil買収で)。Intersilはオンセールの会社ではなかったが、それだけお互いに相性が良かったことが、買収成功の要因といえる。Analog DevicesによるLinear Technology買収のように、アナログ半導体業界は寡占化が進んでいる。Intersilの買収は、業界に一石を投じる千載一遇のチャンスだった」と語る。

 約3274億円の買収額については「高すぎる」との声も出ているが、柴田氏は「かなり短期間で現実的なシナジーが見込める。そこから逆算すると、今回の価格は十分正当化できる」と応じた。

 買収後のIntesilの運営について呉氏は、「完全に(Intesilの経営を)独立させて、株主になるということは考えていない。彼ら(Intesil)をルネサスの中に取り組もうということも考えていない。ルネサスがIntesilから学ぶこともたくさんあり、Intesilの中には優秀なマネジメント層がいる。ブロードベース、広い顧客に汎用品を売ることに強いので、われわれの汎用マイコンの売り方は彼らに教わることが多いだろう。彼らの良さを生かしながら、シナジーを生かすための体制をとっていきたい」とした。

ルネサス社長兼CEOの呉文精氏 (クリックで拡大)

 また、「ルネサスの製造ラインでIntersil製品を生産するか」という問いに対しては、「実際にやるかまでは分からないが、やりたいと思っている。ルネサスもIntersilと同様に8インチのボリュームを増やしているからだ。まだ時間はあるため、当社のラインのキャパシティーを見ながら、今後どうしていくか考えたい」(柴田氏)とする。

 呉氏は最後に、「2016年度の業績は、円高と熊本地震による影響で、足元でみると厳しい。Intersil買収が1つののろしとなり、収益を伴う成長を実現したい」語った。

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