Albany Nanotech Research Center(米国ニューヨーク州アルバニー)は、EUVステッパーを用いたプロセス技術のパイオニアである。GLOBALFOUNDRIESは、EUVステッパーを使うためにAlbany Nanotech Research Centerとニューヨーク州マルタにある製造工場(Fab 8)との間でウエハーを往復させたという。
7nmのプロトタイプチップは現在、マルタのFab 8で製造中で、2018年末までに提供される見通しだ。一方、Albany Nanotech Research Centerは現在、EUVステッパーを使った5nmプロセスの開発に取り組んでいるという。
GLOBALFOUNDRIESは2017年中に、アルバニーとマルタで合計4台のEUVステッパーを導入する計画だという。Patton氏は、「7nmのクリティカルパスにEUV処理を入れたのは間違いだったと考えているが、EUVを用いた7nmプロセスへの移行は必ず実現させる」と述べている。
GLOBALFOUNDRIESはプレスリリースの中で、「7nmプロセスの強化に向けてFab 8に数十億米ドルを投資する計画だ」と述べている。
GLOBALFOUNDRIESは、革新的な組み込みメモリとしてEverspinのMRAMを選んだ。まずは、22nm FD-SOIプロセスで製造したマイコンの組み込みNAND型フラッシュメモリを置き換えるという。EverspinのMRAMはコンピュータビジョンチップ向けの高速バッファにも対応しているため、ゆくゆくは14nmプロセスで製造したプロセッサのL3キャッシュのSRAMを置き換える計画だという。
GLOBALFOUNDRIESのCMOSプロダクツ部門を率いるGregg Bartlett氏は、「同MRAMを組み込んだ場合の記憶密度は、チップの設計によって変わる」と説明している。また、同氏によると、組み込みMRAMセルの書き込み速度は数マイクロ秒ではなく数ナノ秒だという。
GLOBALFOUNDRIESは、Everspinの256MビットMRAMを、シンガポールの製造工場(300mmウエハーライン)にて製造している。
22nm FD-SOIが組み込みMRAMの製造で使われるのは初めてとなるが、既に50社の顧客があるという。Bartlett氏によれば、最初のFD-SOIのプロトタイプは今後1カ月以内に製造される予定だ。
【翻訳:田中留美、滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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