IBM Researchが、EUV(極端紫外線)リソグラフィとSiGe(シリコンゲルマニウム)チャネルを使用した7nmプロセス試作チップを発表した。IBM Researchはここ最近、最先端プロセスの研究開発成果の発表に力を入れていて、7nmプロセスの技術開発に自信を示してきたIntelに迫る勢いを見せている。
IBMの基礎研究所であるIBM Researchが、7nmプロセスでIntelを超える成果を上げたという。EUV(極端紫外線)リソグラフィ技術を使い、FinFETにSiGe(シリコンゲルマニウム)チャネルを採用した試作チップを発表したのだ。これによってIBMは、「Power8+」「Power9」などの次世代プロセッサ発売に向けた足場を固めたことになるだろう。Power8+やPower9は、GLOBALFOUNDRIESが製造する。
IBM Researchの開発パートナーであるSamsung Electronicsも、7nmプロセスを適用したチップの供給が始まると予想される2018年までには、同技術でIntelに追い付き、優位に立ちたい考えだ。7nmプロセスの試作チップは、開発パートナーであるニューヨーク州立工科大学(SUNY) Polytechnic Institute's Colleges of Nanoscale Science and Engineering(CNSE)の300mmウエハー対応施設で製造された。
米国の市場調査会社であるForrester Researchでバイスプレジデント兼主席アナリストを務めるRichard Fichera氏は、この発表に先立って行ったEE Timesのインタビューに対し、「驚きとともに、感動している」と話した。「今回の発表は、IBMが7nmプロセス技術の競争に勝ったことを意味しているわけではないが、勝算が見えてきたことは確かだ。7nmプロセス技術に関してはIBMには期待を寄せていなかった人々も、考えを変えつつある。同社は、今回の技術につながるたくさんの材料やゲート設計の研究を行ってきた*)。それに比べると、Intelに7nmプロセスに関する取り組みは、やや消極的にも見える。IBMがIntelより先に7nmチップの生産を開始するという保証はない。しかし、7nmプロセスの製造でIntelが首位に立ったとしても、Intelがすぐに追われる立場になるであろうことは間違いない」(同氏)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.