“人も歩けば電波が飛ぶ”、無線タグ開発キット : 環境発電でバッテリーレス (2/2 ページ)
モノワイヤレスがまず狙うのは、工場や工事現場、病院や施設などにおける人の位置を検出する用途だ。つまりビーコンである。前述したように、TWE-LITE SWINGを身に着けると、歩くだけで電波を送信できるので、受信機(アクセスポイント)を複数の箇所に配置しておけば、その近くを通過した時に、誰がどこにいるのかがリアルタイムで検知できるようになる。環境発電なので、無線タグの電池切れを心配する必要もない。
ビーコンにはBluetooth Low Energy(BLE)が利用されることもあるが、齋藤氏は「BLEよりも通信距離が長い。そこが、BLEとの差異化やすみ分けを図るポイントとなる」と説明した。
また、TWE-LITE SWINGを振ることでも電波を送信できるので、リモコンなどのUI(ユーザーインタフェース)などにも活用できる。モノワイヤレスのオフィスでは、TWE-LITE SWINGをドアに取り付け、来客があると音楽*) が鳴るようにしているという。
*)ちなみにその音楽は某コンビニエンスストアに入る時と同じものだそうだ。
TWE-LITE SWINGを使って“Lチカ(LEDをチカチカ点灯させる)”しているデモ。TWE-LITE SWINGを軽く振ると、4つ並んだLEDのうち手前のLEDが点灯したり、消えたりしていることが分かる。
TWE-LITE SWINGは2016年10月26日より出荷を開始する。価格は1万4800円(税別)。拡張ボードをさらに追加したい場合は1枚1480円(税別)となっている。チップワンストップ、秋月電子通商、マルツオンライン、共立エレショップで購入できる。10月26〜28日に千葉県の幕張メッセで開催される「第2回 IoT/M2M展」でも、スター精密のブースで展示される予定だ。
数百万回伸び縮み、「発電ゴム」はセンサーにも向く
リコーは2015年5月18日、圧力や振動を加えると高出力で電気を生み出す「発電ゴム」を開発したと発表した。100μm程度の薄膜であり、加工性に優れるため、センサーやIoT向けの環境発電用材料などの用途を見込むという。
1円玉より小さいZigBee対応無線モジュール、通信距離は1km
「TWE-Lite」は、ZigBeeに対応する無線モジュールだ。約14mm角と小型ながら、通信距離は、障害物がない状態で1kmに達する。HEMS、IoT(Internet of Things)、M2Mといったセンサーネットワークに使用する、あらゆる端末での使用を想定している。
BluetoothをWi-Fiとして“再利用”、米大学が開発
米大学が、ある無線信号を別の無線信号に変換する技術を開発した。埋め込み型医療機器など、使用できる電力に制限のある機器において、消費電力を気にせず、スマートフォンなどとの無線通信ができるようになるかもしれない。
“オーダーメイドの肌”を印刷技術で作る
パナソニックは「CEATEC JAPAN 2016」(2016年10月4〜7日、千葉・幕張メッセ)で、“オーダーメイドの肌シート”を使って化粧するデモを行った。シミなどの隠したい部分を“塗って”隠すのではなく、“貼って”隠すメークを提案。デモには毎回、多くの来場者が殺到していた。
屋内でも誤差3m以内の位置情報を提供できる技術
パナソニックは2016年7月、地下街や屋内でも位置誤差3m以下という高精度の位置情報をスマートフォンなどの端末を使って取得できる測位システムを開発したと発表した。
すべてのIoTデバイスに「Bluetooth」を
「IoTのすべてをターゲットにしている」。こう語るのは、今やWi-Fiに並んで、最も普及する無線「Bluetooth」の規格策定団体トップを務めるマーク・パウエル氏だ。2017年初めまでには、IoTをターゲットにした新規格「Bluetooth 5」をリリースすることも発表した。Bluetoothは、乱立するIoT向け無線規格の中で、果たして勝ち抜けるのか? 同氏にIoTに向けたBluetoothの展望を聞いた。
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