日本サイプレスは、「Embedded Technology 2016」「IoT Technology 2016」で、「HDMI Alternate Mode」をサポートしたUSB Type-CポートコントローラIC「EZ-PD CCG3」を参考展示した。このICを実装した機器とType-C-HDMIケーブルを使って映像を送受信するデモを行った。
日本サイプレスは、「Embedded Technology 2016(ET 2016)」「IoT Technology 2016」(2016年11月16〜18日、パシフィコ横浜)で、「HDMI Alternate Mode(以下、HDMI Alt Mode)」をサポートしたUSB Type-CポートコントローラIC「EZ-PD CCG3」を参考展示した。会場では、ブルーレイレコーダー側からType-Cコネクター/ケーブル経由で、HDMI端子を備えたTV受信機に映像を送信し、表示するデモを行った。
EZ-PDは、ケーブルで接続された機器間で、データの通信や電源の供給が正常に行われるように制御するICである。同社のプログラマブルSoC「PSoC」をベースに開発しており、新たに策定された規格や仕様の変更などにも、柔軟かつ迅速に対応できるのが特長である。
HDMI Licensing LLCは、2016年9月に「HDMI Alt Mode Spec 1.0a」をリリースした。この規格では、4K映像を始め、ARC(Audio Return Channel)、3D、HEC(HDMI Ethernet Channel)、CEC(Consumer Electronics Control)など、「HDMI 1.4b」スペックの全機能がサポートされているという。
サイプレスは、CCG3製品のファームウェアをアップグレードした。USB Type-C Alt Modeによるデータ通信にHDMIプロトコルを追加することで、いち早くHDMI Alt Modeに対応する製品を開発することができた。
会場では、HDMI Alt Mode対応に改良されたブルーレイレコーダーの試作機やPCと、市販されている高精細TV受信機を設置。Type-C-HDMIケーブルを使ってソース側と表示機器を接続し、映像を送受信するデモを行った。
「USB Type-Cは1本のケーブルで、パワーデリバリーからHDMI、DisplayPort、THUNDERBOLTといったインタフェース規格に対応することができる。モバイル機器でも、現状は小型形状のさまざまなコネクターやインタフェース規格が用いられているが、これらを統一できるメリットは大きい」(説明員)と話す。
これ以外にも、「IoT Technology優秀賞」を受賞した「超小型電池レス無線センサー」とそれを応用したクラウドセンシングソリューションを提案した。また、Wi-FiやBluetoothなどの無線システムを容易に実現するための「WICEDプラットフォーム」などについても、具体的に紹介した。
リファレンスキットとして提供している電池レス無線センサー端末は、光発電で動作する。形状は直径が23.5mmで、10円硬貨とほぼ同じサイズである。ブースでは都内の複数箇所にセンサー端末を設置した想定で、収集した温度や湿度の情報をクラウド側に転送、環境データを解析、表示するデモを行った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.