オフィスのように大きな窓がある場所では、日の光が差し込む角度や、日光の強さによって、ブラインドやカーテンを開けたり閉めたりする作業は、意外と手間がかかるものである。室温や時間帯によって、“窓自体”で調光できるシステムがあったらどうだろうか。
米国のシリコンバレー(サウスサンフランシスコ)に拠点を構えるKinestral Technologies(キネストラル・テクノロジーズ、以下Kinestral)は、ガラスの透明度を自在にコントロールできる調光ガラス「Halio(ヘイリオ)」の開発を手掛けている。
Halioは、光の透過率を100%(クリア)から、最も暗い状態(ダークグレー)で2〜3%まで落とすことができる。
さらに特徴的なのが、Halioがクラウドと連携する点だ。Kinestralは、Halioを「IoT(モノのインターネット)調光ガラス」と呼ぶ。
Kinestralはクラウドシステムも開発していて、そのクラウドには、サーモスタットや光センサーなどサードパーティーのデバイスも接続できる。これにより、例えば「朝6時になったら窓を透明にする」「室温が25℃を超えたら窓をダークグレーにする」など、ユーザーの生活パターンやオフィスの使用パターン、室内環境や時刻などを基に、細かく調光することが可能になる。スマートフォンアプリによる制御はもちろんのこと、音声による制御もできる。KinestralのCEO(最高経営責任者)であるS.B. Cha氏は、「高齢者のケアハウスなどで、わざわざ窓まで歩いていってカーテンを開けなくても、音声で窓を明るくしたり暗くしたりできるようになる」と話す。
さらに、サードパーティーのクラウドとの連携も可能なので、さまざまなスマートシステムと連動できる。スマートハウスの一環として、Halioを取り入れることができるのだ。
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