Intelがデータセンター向けに、3D(3次元) NAND型フラッシュメモリを搭載したSSDを2品種発表した。プロトコルにはNMVe(Non-Volatile Memory Express)を採用している。
Intelは2017年5月2日(米国時間)、データセンター向けSSD「DC P4500シリーズ」「DC P4600シリーズ」を発表した。3D(3次元) TCL(Triple Cell Level) NAND型フラッシュメモリを搭載し(以下、3D NAND SSD)、プロトコルにNVMe(Non-Volatile Memory Express)を採用している。
Intelのプロダクトマーケティングマネジャーを務めるJonmichael Hands氏は、「発表した2つの3D NAND SSDは、クラウドデータセンター向けに設計したものだが、クラウドサービスプロバイダー以外にも適用できる」と述べている。同氏はEE Timesの電話インタビューの中で、「パブリッククラウドに多額の投資をする組織は多い。その一方で、エンタープライズ向けITはプライベートクラウドの方向に向かっている。いずれの場合も、高い性能と効率が求められる」と語った。
DC P4500シリーズは、読み込み用に最適化されていて、大容量のデータを保存するサーバに適している。
一方のDC P4600シリーズは、キャッシュを高速化し、サーバ1台当たりの処理能力を増大する。
どちらもIntelの3D TLC NANDと独自開発の新コントローラー、新ファームウェア、PCIe(PCI Express)およびNVMeを組み合わせている。フォームファクタは、HHHL(Half Height Half Length)のアドイン・カードと、U.2対応2.5型の2種類がある。容量は1Tバイト、2Tバイト、4Tバイトをそろえる。
新ファームウェアは、「NVMe-Management Interface (NVMe-MI)」規格に対応している。新コントローラーは、16Tバイトもの大容量をサポートする。Hands氏は、「コントローラーの容量は、このフォームファクタにどれだけのフラッシュメモリを搭載できるかで決まる」と説明している。
Hands氏は、FacebookなどがNVMe対応のSSDの採用を検討していることを挙げ、「Intelは、NVMeが大きく成長すると確信している」と述べた。同氏は、「NVMeの採用が進んでいる理由は、拡張性とオープンスタンダードであること、フレキシブルなフォームファクタにある。業界はNVMeを選んだ。NVMeはSSDの次期プロトコルになる」と述べている。
同氏は、「ハイパースケール分野では、新たに導入されるSSDは全てNVMeだ。エンタープライズ市場全体で見ると進展は緩やかだが、NVMeへの転換は確実に進んでいる」と付け加えた。
Hands氏は、「SATAからNVMeへの転換は避けられないだろう」と語る。NVMeの方がフラッシュメモリの性能をより引き出せるからだ。「(NVMeは)3D NANDメモリのメリットを十分に引き出せる」(Hands氏)
Intelは、トレージへのニーズの増加に対応すべく、3D NANDフラッシュを製造する中国・大連の工場「Fab 68」を拡張している。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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