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中国で勝ち残るコツ、“ジャストフィットな仕様”を追求する製品分解で探るアジアの新トレンド(17)(2/4 ページ)

» 2017年06月13日 11時30分 公開

STB市場ではブランド力のある米Amlogic

 図2は、2機種から基板を取り出した様子である。

図2:多くの中国製STBが採用する米Amlogicの「S912」(クリックで拡大) 出典:テカナリエレポート

 内部にはWi-Fi/Bluetooth通信チップ(Qualcomm製または台湾Realtek製)、ストレージメモリ(NAND型フラッシュメモリ)、DDR3 RAM、オーディオCODEC、LANトランスフォーマーチップなどが並んでいる。その中心に、Android 6.0に対応し、STBとして画像や音声を処理するプロセッサが配置されている。

 2製品ともにプロセッサは共通だ。米Amlogicの「S912」である。Amlogicの本社はシリコンバレーのほぼ中央に位置するサンタクララにあり、1995年創業という20年以上の歴史を持つ。現在は中国と米国の拠点および市場を最大限に活用する半導体メーカーの1つになっている。AmlogicのCEO(最高経営責任者)はJohn Zhong氏で、中国表記では钟培峰氏である。

 Amlogicは日本ではあまりおなじみのない半導体メーカーだが、中国では3年連続でSTB、OTT(Over the Top)、Android TVのチップで市場シェア1位の座を射止めた知名度の高い会社である。

 事実、中国には上海、北京、深セン、香港および台湾・台北にセールスオフィスやテクニカルサポートセンターがそろっている。また図2のセンターに掲載したように、チップには型名だけでなく、ロゴに配したJaguarの絵が描かれている。各分野でのトップ企業だけが持つことができる、いわゆるチップ・ニックネームである。例えばスマートフォン・プラットフォームのトップ企業であるQualcommがSnapdragon(龍)を、中国HiSliconがKirin(麒麟)を名乗るようなものだと捉えておけばいいだろう。

 実際にAmlogicのプロセッサは実に多くのOTTやSTBに活用されている。ほぼコモディティといっても良い状態だ。

 STB、OTT分野に特化し、市場シェア1位になれることは十分に評価できることである。

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