東芝は、東芝メモリ四日市工場第6製造棟への投資計画を前倒しし、2018年3月期中に実施する投資規模を1100億円増額すると発表した。
東芝は2017年10月11日、2018年3月期中に実施する東芝メモリ四日市工場第6製造棟に導入する生産設備の投資を1100億円増額すると発表した。3次元構造のNAND型フラッシュメモリ(以下、3D NANDフラッシュ)の需要拡大を見込み、投資を前倒しした格好だ。
東芝とその子会社である東芝メモリでは、これまで、四日市工場に建設中の第6製造棟に対し、第1期建屋に導入する生産設備と第2期建屋建設に関わる投資として総額1950億円を投じると決定していた。今回の決定は、1950億円に上乗せし、第1期建屋に導入する生産設備導入費用として1100億円を2018年3月期中に投じることを決めたもの。1100億円の投資で、96層積層プロセスを用いた3D NANDフラッシュ固有の製造工程を担う最先端の成膜装置やエッチング装置などを導入する計画。なお、今回の投資に関する費用計上や支払いによる資金影響などは、2019年3月期以降となるため、2018年3月期連結業績見通しに変更はないとする。
また東芝と四日市工場で共同投資、共同生産を進めてきたWestern Digital傘下のSanDiskの本投資への参加有無については「SanDiskへ提案し協議中」(東芝)として決まっていない。
東芝では、2018年3月期における発注ベースのストレージ&デバイスソリューション事業向け設備投資額は2017年8月10日時点で3300億円になると見通しを発表していた。この3300億円のうち、「具体的な投資計画に落とし込んでいなかった」という400億円を今回の追加投資に充当。残りの700億円分に関しては、2019年3月期に予定していた設備投資を前倒す形で実施する。この結果、2018年3月期における発注ベースのストレージ&デバイスソリューション向け設備投資額は4000億円になる。
東芝は、2017年3月期から2019年3月期までの3年間で「四日市工場に約3600億円を投資する」としてきたが、2019年3月期予定分の前倒し投資により「今後、状況に応じて更新する」と3600億円以上の投資を行う可能性を示唆している。
東芝、東芝メモリは、将来のNANDフラッシュ増産に向けて岩手県北上市に新工場を建設する計画も決定し、2018年の工場建設着手を目指し、準備作業を進めている。
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