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「Apple Watch Series 3」を分解東芝もデザインウィンを獲得(1/2 ページ)

TechInsightsは「Apple Watch Series 3」を分解し、その結果をレポートした。SiP(System in Package)の大きさは前世代品と同等だが、より多くのコンポーネントを集積している。

» 2017年10月13日 10時30分 公開
[Rick MerrittEE Times]

特許係争中のAppleとQualcommだが……

「Apple Watch Series 3」

 TechInsightsの分解リポートによると、Qualcommは「Apple Watch Series 3」向けにLTEモデムの他、いくつかのワイヤレスチップを供給しているという。最新版のApple Watchは、1ダースの主要なチップと多数のディスクリートを集積することで、SiP(System in Package)の限界を押し上げ続けているようだ。

 Apple Watch Series 3には、既存のデバイスと同じサイズのSiPが採用されている。だが、TechInsightsによると、Apple Watch Series 3が旧世代品よりも多くのコンポーネントを含んでいるのは明らかなようだ。

 TechInsightsが42mmのスポーツバンドを備えたGPS+セルラーモデルの「A1861」を分解したところ、QualcommのSoC(System on Chip)「MDM9635M」が搭載されていた。「Snapdragon X7 LTE Modem」である。同チップは、Appleの「iPhone 6s」「iPhone 6s Plus」の他、Samsung Electronicsの「Galaxy S6 Edge」などのスマートフォンにも搭載されている。MDM9635Mは、「K4P1G324EH」と刻印されたSamsungのDRAMとともに、PoP(Package on Package)の形でApple Watch Series 3に搭載されていた。

「Apple Watch Series 3」の基板(その1) 出典:TechInsights(クリックで拡大)

 セルラー接続機能を初めて備えた最新Apple Watchの初期のレビューでは、LTEの利用に伴う複数の問題点が見つかっていた。だが、「watchOS 4」のアップデートで、それらは解決されたといわれている。

 AppleとQualcommは、主にベースバンドモデムにおいて、特許係争のさなかにあり、米国ITC(国際貿易委員会)の調査を受けている。Appleは、その関連で差し止め命令が発令される可能性があるにもかかわらず、相変わらずQualcommのチップを使い続けている。その上、訴訟中は、Qualcommへのロイヤリティーの支払いを中止するという方針も続行している。

 TechInsightsによると、Apple Watch Series 3に搭載されたワイヤレスチップの中には、Qualcomm製のパワーマネジメントIC(PMIC)「PMD9645」と、RFトランシーバーIC「WTR3925」が含まれている。他にも数社のチップベンダーが、ワイヤレスソケットのデザインウィンを獲得したようだ。

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