GaN/SiCパワー半導体を手掛けるNavitas Semiconductorが、ルネサス エレクトロニクスを特許侵害で提訴した。「SuperGaN」を含む主要GaN製品群が、Navitasの米国特許4件を侵害していると主張している。Navitasの現CEOはルネサスのパワー事業を統括した経歴を持つ。ルネサスは「現時点で当社からのコメントはない」としている。
Navitas Semiconductor(以下、Navitas)は2026年8月10日(米国時間)、ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)を相手取り、米国テキサス州東部地区連邦地方裁判所に特許侵害訴訟を提起したと発表した。
Navitasは、ルネサスの「SuperGaN」パワー半導体を含む主要な窒化ガリウム(GaN)製品群が、同社のGaN関連特許を侵害していると主張している。対象として挙げているのは、米国特許番号第9929079号、第11545838号、第11770010号、第11862996号の4件だ。
Navitasは2014年設立で、GaNおよび炭化ケイ素(SiC)を用いたパワー半導体を手掛ける。AIデータセンターや電力インフラ、高性能コンピューティング(HPC)、産業機器などを注力市場としている。Navitasによると、同社が保有または出願中の特許は世界で300件を超えるという。
Navitas 社長兼CEOのChris Allexandre氏は今回の提訴について、同社がGaNおよび高耐圧SiCの研究開発に多額の投資を行い、その成果を知的財産権によって保護してきたと説明。「当社は有効な知的財産権を尊重していて、競合他社にも同様の対応を期待している」とコメントした。
さらに、「知的財産権を守るために今回の訴訟を起こすことで、従業員、顧客、パートナーを守るとともに、パワー半導体市場全体にとって重要な、公正な競争とイノベーションに報いるという原則を守る」としている。
なお、Allexandre氏は2025年9月にNavitasの社長兼CEOに就任する以前、ルネサスでSenior Vice President兼Power Division General Managerを務めていた。
Navitasによると、同氏はルネサスでは約25億米ドル規模のパワーマネジメント製品およびディスクリート製品事業を統括していた。その前にはChief Sales & Marketing Officerも務めている。
ロイターによると、ルネサスは2026年7月22日(米国時間)、Navitasを相手取り、米カリフォルニア州の連邦裁判所に訴訟を起こしている。ルネサスは、NavitasがAIデータセンター向けの次世代半導体開発に関する企業秘密を得るために、ルネサスの従業員を引き抜いたと主張。NavitasのChristopher Allexandre氏と幹部のFelicia Cheng氏が、GaNパワー半導体に関するルネサスの機密情報を持ち出し、Navitasのために利用したとしている。
ルネサスはEE Times Japanからの取材に対し、「現時点で当社からのコメントはない」と回答している。
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