新型のMCUやMPUは、40nmや16nmプロセス技術を用いたARM Cortex-Mコア/Cortex-Rコア/Cortex-Aコアベースの製品を用意する。動作周波数は100M〜2GHz以上である。ARMベースのアーキテクチャで統一したMCUやMPUにより、システムの仕様や機能変更、異なる用途にも柔軟に対応することができるという。しかも、全ての製品で自動車用機能安全規格「ASIL-D」に対応している。
具体的に、同社の新型MCUは「ASIL-DMIPSの比較で、競合製品より10倍の高い性能を実現した」(McOuat氏)と主張する。ソフトウェアの開発負荷は90%も低減でき、ソフトウェア開発が複数のドメインにまたがる場合でも、その負荷は40%を上回る節減が可能だという。
新たなレベルの安全性やセキュリティ、OTA(Over the Air)機能に対応していることも特長の1つだ。OTA機能により、セキュアなゲートウェイを経由してS32アーキテクチャベースのエンジンコントロールユニット(ECU)のソフトウェアを、自動でアップデートすることが可能である。搭載したメモリは柔軟性に優れており、ソフトウェア更新をダウンタイムゼロで実行できる。ソフトウェア更新のために自動車をディーラーへ持ち込む時間やコストも削減できるという。
S32プロセッシングプラットフォームのベースとなるのが、共通ハードウェアアーキテクチャである。あらゆるドメインで共通な標準ペリフェラルを集積したモジュールを用意した。これをベースに、セーフティ、パワートレインやレーダー、ゲートウェイ、ビジョン、センサーフュージョン、自動運転などに必要となる機能ブロックを統合し、各用途に適したMCU、MPUを構成することができる。この結果、開発済みのハードウェア、ソフトウェア資産を有効に再利用することが可能となる。
先進運転支援システム(ADAS)を視野に入れた人工知能(AI)アクセラレーターも用意している。ビジョンやレーダー応用システムにおける物体検出や分類といった機能を高速に実行することができる。
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