日新システムズとコアスタッフは2018年7月、国際無線通信規格「Wi-SUN FAN(Field Area Network)」によるネットワークシステムの通信性能を容易に評価するための「Wi-SUN FAN評価パッケージ」を開発、発売すると発表した。
日新システムズとコアスタッフは2018年7月、国際無線通信規格「Wi-SUN FAN(Field Area Network)」によるネットワークシステムの通信性能を容易に評価するための「Wi-SUN FAN評価パッケージ」を開発、発売すると発表した。
Wi-SUN FANは、IEEE 802.15.4g規格をベースとした920MHz帯の低消費電力無線伝送技術で、IPv6によるマルチホップ(多段中継)伝送が可能である。このため、電気やガス、水道の自動検針、さらには環境や人の行動を管理、制御するスマートシティーなど、センサーネットワークシステムの用途で注目されている。
京都大学大学院情報学研究科の原田博司研究室と日新システムズは、Wi-SUN FANシステムに準拠した通信用ミドルウェアを共同で研究している。また、ロームはWi-SUN FAN仕様に対応する通信モジュールを開発してきた。
今回販売するWi-SUN FAN評価パッケージは、コアスタッフが提供するWi-SUN FAN対応のIoT(モノのインターネット)ゲートウェイ5台および、原田研究室と日新システムズが新たに開発した評価用管理ツールソフトウェアをセットにした製品。
IoTゲートウェイ「CS-A640C/WSFAN-00」は、アットマークテクノ製でLinux搭載のCPUボード「Armadillo-640」に、ローム製Wi-SUN FAN無線通信モジュールを搭載した製品。IoTゲートウェイを自由に組み合わせることでメッシュネットワークを構築できる。
評価用管理ツールソフトウェアは、Windows上で動作する。無線通信時のスループットやパケットロスト率などの性能を測定できる機能や、構築されたネットワークのトポロジー確認、各ノードの情報収集などを行うための機能を備えている。なお、Wi-SUN FANミドルウェアは、Wi-SUNアライアンスの認証プログラムが始まり次第、認証を取得する予定である。
Wi-SUN FAN評価パッケージは、2018年9月上旬に販売開始するが、初回分は20セットの限定で、2018年7月5日より予約を受け付ける。価格は30万円(税別)を予定している。先行ユーザーの声を反映した量産版については、2018年中に一般販売を始める計画だ。
なお、開発したWi-SUN FAN評価パッケージは、「Embedded Technology West 2018」(2018年7月5〜6日、グランフロント大阪内コングレコンベンションセンター)に出展する。
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