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SEMICON Japan 2018 特集
インタビュー
» 2018年12月06日 11時30分 公開

アンテナを高く張れ! 半導体製造装置材料業界がスーパーサイクルを勝ち抜くために野村証券和田木哲哉氏×SEMIジャパン浜島氏(4/5 ページ)

[竹本達哉,EE Times Japan]

日本の半導体製造装置/材料の競争力

EE Times Japan 2000年以降、日本の半導体デバイスメーカーは、世界市場での競争力を急速に落としてしまいました。日本の半導体製造装置/材料メーカーの競争力は現状、どのように評価されていますか。また、今後のIoTの時代にも競争力を発揮できるのでしょうか?

浜島氏 日本の半導体製造装置/材料メーカーの競争力は、ますます高まっていると見ています。2018年も、恐らく、装置/材料市場におけるシェアは再びアップしているはずです。特に、材料は強く、世界シェアの過半を占める状況が続いています。

和田木氏 国内の半導体デバイス業界は壊滅状態ですが、半導体製造装置/材料業界は、健闘しています。少し、甘い見方かもしれませんが、個人的には国内製造装置も2012年にいったん、世界シェア首位を奪還したと見ています。国内の製造装置メーカーは、国内デバイスメーカーから自立して、世界での競争力を維持、高めている状態です。

 欧米勢を見ると、Applied Materials、ASML、Lam Research、KLA-Tencorの大手4社に集約されていますが、国内は比較的、中小のメーカーを含めて元気です。日本の装置は、欧米に負けておらず、しっかりとした地位を築いています。戦略的にモノを売るという観点からすれば、欧米勢に負けている面はありますが、逆に顧客目線でカスタマーニーズを掘り起こすという点で、欧米勢を大きく上回るメーカーも多くあります。

浜島氏 SEMIジャパンのメンバー企業を見ていても、カスタマーニーズに対し、とても敏感だと感じています。自動車や医療のことはもちろん、さまざまなベンチャー企業に対しても高い関心を持ち、アンテナを高く張るように努力されています。そうした高いアンテナから得た情報をベースに起こす、次のアクションに期待しているところです。

ビジネスモデル転換へ交渉力を

EE Times Japan 半導体製造装置/材料業界の現状の課題は、どのようなものがあるとお考えですか? またその課題の解決策を教えてください。

和田木氏 デバイスメーカーが寡占化されている中で、半導体製造装置/材料業界は、いかに交渉力を維持するかが課題だと捉えています。

 ロジックでは微細化の限界が見えつつあります。微細化が限界を迎えれば、当然、製造装置のリプレイスが少なくなっていきますので、メンテナンスサービスや保守部品で収益を上げるストック型ビジネス、サブスクリプション型ビジネスへの転換が必要になります。こうしたビジネスモデルの転換には、顧客理解を得るための交渉力が欠かせません。

 交渉力という面では、やはり業界団体、SEMIの力が必要になってくると思います。ぜひ、SEMIには、製造装置/材料メーカーの意見を集約し、交渉を引っ張ってもらいたいと思いますし、直接的な関与が難しければ、ベストプラクティスを業界内で共有いただきたいと思います。

浜島氏 顧客との交渉は、繁忙期だとなかなか難しいですが、少し設備投資にブレーキが掛かっている今は、良いタイミングかもしれませんね。中立な立場であるSEMIとして、ベストプラクティスの共有などを進めていきたいと思います。

 また、少し話がそれるかもしれませんが、SEMIではFab Owners Association(以下、FOA)という米国の組織を統合しました。このFOAというのは、米国の半導体工場のオーナーが集まり、オーナー間で課題やノウハウを共有することを目的にした組織です。半導体工場といっても、大手ではなく、レガシーな工場が多いのですが、入手困難なレガシー装置を、互いに融通するといった活動を行い、さらには、互いの歩留まり情報を集約、平均化し自身のファブの実力値を把握するといったことも行うユニークな組織で、成果を上げています。

 FOAは米国の活動ですが、日本でも、同様の取り組みをスタートしようと、このほど、10社ほどの200mmウエハーラインを持つ半導体工場の関係者に集まっていただき、キックオフを行ったばかりです。この“日本版FOA”では、工場だけでなく、装置/材料メーカーにも参画いただき、意見交換などを行い、レガシー工場のサポート活動を盛り上げていきたいと考えています。こうした取り組みも通じながら、パーツやサービスといった部分でのビジネス創出につなげていきたいとも思っています。

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