野村証券アナリストの和田木哲哉氏と、半導体製造装置/材料の業界団体SEMIの日本代表(SEMIジャパン社長)を務める浜島雅彦氏に、これからの半導体市況、そして、半導体製造装置/材料業界に求められることなどを聞いた。
シリコンサイクルを超えて“スーパーサイクル”に突入している半導体業界。IoT(モノのインターネット)の進展により、今後、世の中に流通するデータ量はますます増え、半導体デバイスの需要は一層拡大し、中長期的にスーパーサイクルは続く見通しだ。
スーパーサイクル突入により、半導体業界の秩序は大きく変わり、これからも半導体業界の在り方は変化を続けていくだろう。そうした中で、半導体製造装置/材料業界は、どのように対応すべきか――。
そこで、半導体市場のスーパーサイクル突入をいち早く、2016年はじめに予測した野村証券アナリストの和田木哲哉氏と、半導体製造装置/材料の業界団体SEMIの日本代表(SEMIジャパン社長)を務める浜島雅彦氏に、これからの半導体市況、そして、半導体製造装置/材料業界に求められることなどを聞いた。
EE Times Japan 和田木さんは、いち早く、半導体市場が“スーパーサイクル”に突入すると予想されました。
和田木氏 半導体業界をはじめ世の中が、まだ真っ暗だった2016年2月ぐらいに「半年先ぐらいに、世の中が180度変わります」と予想しました。
浜島氏 当然のことなのでしょうが、和田木さんの当時の予測は、数字に裏打ちされた予測であり、感心しつつ拝見していた記憶があります。そして、その後、おっしゃる通りになり「すごいな」と驚かされました。
和田木氏 スーパーサイクル突入と言い出した2016年2月ごろは、大手製造装置メーカーの受注が過去最高に達しつつあったころです。一部のアナリストは、その時点がピークで、受注は後退すると予想していました。その根拠は、スマホの在庫がたまり、スマホの在庫循環サイクルからみて「もうスマホは、おしまい」と判断していたからでしょう。
一方で、私は、フラッシュメモリ搭載サーバ(以下、フラッシュサーバ)という巨大なマーケットが出現するとみていました。そのマーケット規模は、スマホの在庫が揺らぎ程度にしか見えないほどの巨大であり、半導体製造装置の受注についても、過去最高実績を突き破っていくと予測しました。スマホだけでなく、サーバをみていたかどうかが、運命を分けた格好です。
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