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Intelの創業8年目(1975年):収入の伸びが鈍化して収支は初めての減益に福田昭のデバイス通信(180) Intelの「始まり」を振り返る(13)(1/2 ページ)

今回は、創業8年目となる1975年の業績を紹介する。この年は売り上げの伸びが鈍化し、営業利益と純利益は前年比18%減と、初めての減益となった。

» 2019年02月13日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

景気後退と価格競争が成長にブレーキをかける

 Intelの公式文書である「年次報告書(アニュアルレポート)」をベースに、Intelの創業期の活動を創業年(1968年)から1年ずつ記述する連載の第13回である。第9回から前回(第12回)までは、創業7年目である1974年の状況を紹介してきた。今回からは、創業8年目である1975年の業績や事業活動などをご報告していく。

1975年の業績ハイライト。1975年の年次報告書(アニュアルレポート)を基に作成(クリックで拡大)

 Intelの収入(売り上げ)は前年(1974年)まで、前年に比べて約2倍以上のペースで急成長してきた。この「倍々ゲーム」とも呼べる超高度成長は、1975年になると急ブレーキがかかる。1975年の収入は前年比1.7%増となり、横ばいにとどまる。金額は1億3678万8000米ドルである。

 売り上げの伸びが急速に鈍化したのは、景気後退と価格競争によるものだ。価格競争によって半導体の販売単価が大きく低下した。それでも半導体の販売数量が増加したために、収入が前年比でマイナス成長とはならずに、横ばいで済んだとする。

 営業利益と純利益はいずれも前年比18%減で、初めての減益となった。金額はそれぞれ、3321万2000米ドルと1627万4000米ドルである。

 経費の内訳を見ると、販売費は前年比で0.4%減であり、減益の要因とはなっていない。経費で増加したのは、研究開発費とマーケティング費である。研究開発費は前年比38.5%増、マーケティングおよび一般管理費は前年比39.2%増といずれも大幅増となった。研究開発とマーケティングに力を入れることで、翌年(1976年)以降の事業拡大を狙う。1975年の年次報告書はこのように述べる。

総収入と営業損益の推移。Intelの年次報告書(アニュアルレポート)を基に作成(クリックで拡大)
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