Ni氏は、AIのように、常に変化し続けている分野は、FPGAにとってスイートスポットだと語る。
同氏は、「実際のアプリケーションでチップを使用した時に、性能が出ることも確認している」と強調する。「例えば、データセンターのような、遅延をあまり気にしないアプリケーションで使用した時には、ハイエンドGPUの2.5倍の演算性能を実現している。自動車など極めて低遅延が求められるアプリケーションでは、さらにFPGAの優位性が際立ち、ハイエンドGPUの8倍の演算性能が出ていることを確認している」(Ni氏)

実際のアプリケーションで使用した時の、CNNにおける演算性能比較。左は遅延が7ミリ秒での性能比較で、右は遅延が2ミリ秒での性能比較。低遅延のアプリケーションでは、CPUはもう対応できない(クリックで拡大)Ni氏は、さまざまなAIアプリケーションでXilinxチップの採用が増えていると述べる。直近ではDaimler(ダイムラー)の車載インフォテインメントシステムや、ZFの自動運転向け制御ユニット「ProAI」に、Xilinxのチップが採用されることが発表されている。
デモでは、監視カメラやADAS(先進運転支援システム)向けに、エッジで推論するアプリケーションを展示した。

左=店舗などのバックルームにあるサーバをイメージした、監視カメラの映像を推論するデモ。複数台のカメラの映像から計8チャンネルの映像信号がエンコードされ、Xilinxのチップを載せたボードに入力される。同チップ1個で、8チャンネルの信号を同時にデコードし、推論までして、顔やクルマなどを検知、分類(人、自動車、自転車など)している/右=デモに使用したボード。チップは、16nmプロセスのSoC(System on Chip)「Zynq UltraScale+ MPSoC」の「ZU7」。使用している電力も10W以下だという(クリックで拡大)
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