ロームは、4端子パッケージを採用した耐圧650V/1200VのSiC(炭化ケイ素) MOSFET「SCT3xxx xR」シリーズとして6機種を開発、量産を始めた。従来の3端子製品に比べて、スイッチング損失を35%も削減できるという。
ロームは2019年8月、4端子パッケージを採用した耐圧650V/1200VのSiC(炭化ケイ素) MOSFET「SCT3xxx xR」シリーズとして6機種を開発、量産を始めた。従来の3端子製品に比べて、スイッチング損失を35%も削減できるという。サーバ用電源や太陽光インバーター装置、EV充電ステーションなどの用途に向ける。
新製品は、トレンチゲート構造のSiC MOSFETで、4端子パッケージ(TO-247 4L)を採用した。これまでの3端子パッケージ(TO-247N)だと、ソース端子のインダクタンス成分によりゲート電圧が低下し、スイッチング速度に遅延が生じていた。
4端子パッケージは、パワーソース端子とドライバーソース端子を分離できるため、インダクタンス成分による影響を軽減できるという。この結果、ターンオンでの損失を大幅改善することができる。ターンオフを含めた損失は合計で、従来に比べ35%も低減でき、高速スイッチングを可能とした。
SCT3xxx xRシリーズは、耐圧650V品でオン抵抗が30/60/80mΩの3製品、耐圧1200V品でオン抵抗が40/80/105mΩの3製品を用意した。動作温度範囲はいずれも−55〜175℃である。サンプル価格(税別)は2100円より。
SiC MOSFET評価ボード「P02SCT3040KR-EVK-001」も用意した。ローム製のゲートドライバーICや電源IC、ディスクリート製品などを搭載している。この評価ボードを用いて、ダブルパルス試験、昇圧回路、2レベルインバーター、同期整流型降圧回路などの評価を行うことができる。
SCT3xxx xRシリーズと評価ボードは、チップワンストップやコアスタッフオンライン、アールエスコンポーネンツのウェブサイトからも購入することができる。
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