日本企業によるEPO特許出願数は2万2066件で前年(2万2591件)と比較し2.3%の減少となったものの、EPO総特許出願数の12%を占め、米国(4万6201件)、ドイツ(2万6805件)に次ぐ世界3位、アジアでは1位を堅持した。ただ、世界4位、アジアで2位だった中国(1万2247件)は前年比29.2%増、世界6位、アジアで3位の韓国は同14.1%増と大きく数字を伸ばしており、前年からは差を詰められた形になっている。
EPO特許出願数トップ10の技術部門のうち、日本企業は「電気機械、装置、エネルギー」部門で最も優勢で、EPOは、「ドイツと並んで世界をリードする存在だ」と説明している。同部門での2019年における日本の特許出願数は全体の17%を占め、前年比では1.4%増加している。部門別ではこのほか、「輸送」部門が全体の15%(前年比4.0%減)、「測定」部門で全体の13%(前年比3.3%減)、3D印刷を含むさまざまな工作機械をカバーする「その他の特殊機械」部門で、全体の13%(前年比1.9%減)を占めている。
なお、日本企業が最大の伸びを記録した部門は「視聴覚技術」部門(前年比13.2%増)、ついで「光学」部門(前年比9.7%増)となっている。一方で「デジタルコミュニケーション」部門でのシェアは12%から9%に下落している。
出願企業別でみると、日本企業はトップ25のうち5社、トップ50なら8社がランクインした。特にソニーは2018年の11位から9位に浮上(1512件、前年比18.3%増)、4年連続で日本1位となった。これにパナソニック(782件)、日立(740件)が続く。以下、キヤノン(698件)、三菱電機(685件)、トヨタ自動車(541件)、東芝(406件)、三菱重工業(401件)、富士フイルム(352件)、リコー(328件)の順に続く。
技術部門で比較すると、ソニーは「コンピュータ技術」部門、「デジタルコミュニケーション」部門の双方で世界7位(前者は前年9位から浮上、後者は同5位から後退)、日立は「測定」部門で世界6位だった。「電気機械、装置、エネルギー」部門の上位には、パナソニック(11位)、三菱電機(12位)などが入っている。トヨタは「輸送」部門で前年度10位から7位へ浮上。自動車製造企業としては、VolkswagenやAudiなどを抑え、世界で最も活発な企業となった。
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