今回は、Seagate TechnologyとWestern Digital(WD)の2020会計年度の業績を紹介しよう。
ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)と米Western Digital(以降はWDと表記)は、2020会計年度(2020年6月期)の業績を公表した。公表日は同年度第4四半期の業績発表と同じで、Seagateが7月28日(四半期業績の記事)、WDが8月5日(四半期業績の記事)である。なお両社は7月から翌年の6月までを会計期間と定めている。
始めはSeagateの年度業績を説明していこう。Seagateの売上高は前年比1.1%増の105億900万米ドル、営業利益(GAAPベース)は同12.6%減の13億米ドルである。増収減益となった。粗利益率(GAAPベース)は27.0%で前年と比べて1.2ポイント低下した。売上高営業利益率は12.4%で前年と比べて1.9ポイント減少した。
過去5年におけるSeagateのストレージ事業を振り返ると、大容量HDD製品(マスキャパシティ品)が売り上げと利益に占める比重を高めてきた。2016会計年度(2016年6月期)には、マスキャパシティ品がSeagateの売り上げに占める比率は28%、HDD製品の売り上げに占める比率は30%と少なかった。それが2020会計年度(2020年6月期)にはSeagateの売り上げに占める比率は53%と半分を超えた。HDD製品の売り上げに占める比率は57%に達している。
またマスキャパシティ品の売り上げも大きく伸びてきた。2016会計年度(2020年6月期)には30億米ドル強だったのが2020会計年度(2020年6月期)には50億米ドルを超えた。将来もこの市場は伸び続けるとSeagateは考えている。同社は2020会計年度(2020年6月期)におけるマスキャパシティ品の世界市場を125億米ドルと推定した。これが2025年(暦年)には、1.92倍の240億米ドルに成長すると予想している。
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