今回は、ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technologyが発表した2020会計年度第4四半期(2020年4月〜6月期)の業績を紹介する。
ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)と米Western Digital(以降はWDと表記)が、四半期の業績を相次いで公表した。発表日(現地時間)はSeagateが2020年7月28日、WDが同年8月5日である。そこで今回と次回は、SeagateとWDの四半期業績を続けてご報告する。
Seagateの会計期間は7月から始まり、6月を決算月とする。7月28日に同社が発表したのは2020年4月〜6月の四半期業績で、会計年度では「2020会計年度第4四半期」となる。
2020会計年度第4四半期(2020年4月〜6月期)の売上高は前四半期比(前期比)7.4%減、前年同期比6.2%増の25億1700万米ドルである。前四半期比が減少となるのは5四半期ぶりである。前年同期比は2四半期連続で増加した。
概況としてはクラウド向けおよびデータセンター向けの需要が強く、出荷容量を押し上げた。ニアライン向けHDDの出荷容量は過去最高を記録した。一方、世界的な経済の先行き不安とCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大により、映像やミッションクリチカル、コンシューマーなどに向けたHDDの需要が悪影響を受けた。
2020会計年度第4四半期(2020年4月〜6月期)の営業利益(GAAPベース)は前四半期比(前期比)29.0%減、前年同期比19.6%減の2億6700万米ドルである。粗利益率(GAAPベース)は26.5%で、前の四半期から0.9ポイント低下した。売上高営業利益率(GAAPベース)は10.6%で、前の四半期から3.2ポイント減とかなり下がっている。流通費と人件費の増加が響いた。
Seagateの製品別売り上げは、「HDD製品」と「その他(エンタープライズ・ソリューションやSSD製品など)の製品」に分けられる。売り上げのほとんどを占めるのは、HDD製品である。
2020会計年度第4四半期(2020年4月〜6月期)に「HDD製品」の売り上げは前四半期比(前期比)8.1%減、前年同期比5.3%増の23億2100万米ドルとなった。前期比がマイナスとなるのは5四半期ぶりである。前年同期比は2四半期連続でプラスとなった。
2020会計年度第4四半期(2020年4月〜6月期)の「その他(エンタープライズ・ソリューションやSSD製品など)の製品」の売り上げは1億9500万米ドルだった。前四半期比(前期比)では1.6%増、前年同期比では16.7%増である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.