Zooxは、先述した米国の3都市で走行テストを開始している。Zooxがカリフォルニア州で有料のロボタクシーサービスを開始するには、CPUC(California Public Utilities Commission)の許可が必要になる。CPUCは2020年11月19日(現地時間)に、有償のロボタクシーサービスを許可するための新しいプログラムを発表したばかりだ。Zooxがこうした許可を得るのは2021年になるだろう。なお、Zooxはサービスを開始する前に、1年間に相当する走行量のテストを実施する必要がある。
Zooxがロボタクシーサービスを最初に開始するのは恐らくフォスターシティーで、それは2022年半ばになると筆者は予想している。その次がサンフランシスコで、2022年後半に始まるのではないか。
Zooxは、カリフォルニア州の他の都市でもサービスを開始する予定だ。ロサンゼルスやサンノゼが候補に挙がっていて、2023〜2024年にサービスが開始される可能性がある。その他、サクラメントやサンディエゴで始まる可能性もある。
カリフォルニア州以外の都市となると、予想が難しいが、自動運転車のテストが多く行われているアリゾナ州、テキサス州、フロリダ州などで始まる可能性がある。
Zooxは米国以外の都市でもサービスを開始する計画だ。これも予測が難しいが、まずは欧州から始めるのではないか。中でも、自動運転車関連の取り組みが活発な英国は候補の筆頭に挙げられる。自動運転車の規制について議論されているドイツとフランスも候補になるだろう。
Amazonが、Zooxのプラットフォームを自動運転配送に展開するであろうことは、ごく自然な結論だと筆者は考えている。増大する物流のニーズに応えるためだ。ただ、それがいつ実現されるのかは分からない。ロボタクシーのソフトウェアプラットフォームを、自動運転配送用に使うためには、追加の開発が必要になるだろう。
Amazonは、ラストワンマイルの配送に向け、歩道を自動走行するロボット「Scout」を開発している。2019年1月から米国ワシントン州で、Scoutを用いた配送テストも開始した。Zooxのロボタクシーは、将来的には、ラストワンマイルの配達でScoutを補完する可能性もあるだろう。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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