ローム、125℃の動作温度環境でも3.5ミリ秒の書き込み速度を可能にしたEEPROM「BR24H-5ACシリーズ」を開発した。車載カメラセンサーの出荷時設定やエアバッグの作動履歴、FA機器のデータログシステムといった用途に向ける。
ロームは2021年1月、125℃の動作温度環境でも3.5ミリ秒の書き込み速度を可能にしたEEPROM「BR24H-5ACシリーズ」を開発したと発表した。車載カメラセンサーの出荷時設定やエアバッグの作動履歴、FA機器のデータログシステムといった用途に向ける。
BR24H-5ACシリーズは、I2Cバス対応のEEPROM。独自のデータ書き込み/読み出し回路技術を搭載することで、メモリセル特性の製造バラツキを抑え、メモリ性能を最大化している。その1つが、書き込み時間の短縮である。従来品の5ミリ秒に対し、新製品は最速3.5ミリ秒とし、書き込み時間を30%削減した。例えば、10万台の電子機器に対し、製造ラインで256kビットの初期データを書き込む場合(512回の書き込み処理)、工場のライン占有時間を従来品に比べ20時間余り削減することが可能となる。
書き換え回数は400万回を保証する。従来製品の100万回に比べると、4倍も多く書き換えることができる。電子機器の長寿命化に寄与するだけでなく、データを頻繁に書き換える状態記録用途にも適しているという。
動作電源電圧は最低1.7Vで、キーレスエントリーなど電池で駆動する用途にも対応が可能である。この他、車載信頼性試験規格「AEC-Q100」への準拠やECC(誤り訂正)機能の搭載といった特長を持つ。パッケージはSOP8やSOP-J8、TSSOP-B8、MSOP8などを用意した。動作温度範囲は−40〜125℃である。
BR24H-5ACシリーズのサンプル価格(税別)は200円。インターネット商社であるコアスタッフオンラインやチップワンストップのウェブサイトより購入することができる。
今回は、メモリ容量が32k/64k/128k/265kビットの4品種を市場に投入したが、今後は1k〜16kビットの小容量タイプや、512k/1Mビットといった大容量タイプも順次、用意していく計画である。
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