ルネサス エレクトロニクスは2026年7月1日、同社のタイミングデバイス事業の米SiTimeへの売却が完了したと発表した。2026年12月期第3四半期累計連結決算において譲渡益約4433億円を計上する予定だ。
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2026年7月1日、同社のタイミングデバイス事業の米SiTimeへの売却が完了したと発表した。2026年12月期第3四半期累計連結決算において譲渡益約4433億円を計上する予定だ。
ルネサスは2026年2月にこの事業売却について発表していた。同事業はもともと、2019年に米Integrated Device Technologyを約67億米ドル(当時のレートで約7300億円)で買収し獲得したもの。以降、無線インフラやAI/データセンター、産業機器などの市場に向け、製品としてはクロックジェネレータやクロックバッファー、ネットワークシンクロナイザ、ジッタアッテネータ(ジッタ減衰器)などを提供してきた。2024年の売上高は304億円。ルネサスは事業売却の理由について「中長期的な成長を見据え、事業の優先順位をこれまで以上に明確にした上で、戦略的な取り組みに最大限の資源を投じることを狙いとしたもの」と説明していた。
SiTimeのCEOであるRajesh Vashist氏は買収完了に際し「SiTimeは『プレシジョンタイミング』という市場カテゴリーを切り開き、タイミング技術のあらゆる側面に全面的に注力している唯一の半導体企業だ。ルネサスのタイミング事業の買収は、SiTimeを変革する画期的な節目となる。われわれは売上高10億米ドル達成への道を加速させている。クロック製品ポートフォリオを10倍に拡大し、高成長のAIデータセンター市場での存在感を高め、売り上げ総利益率を目標レンジの上限まで引き上げていく」とコメントしている。
買収によってタイミング製品グループおよび主要なフィールドアプリケーションエンジニア(FAE)を含む約163名のルネサス社員がSiTimeに加わる。SiTimeは「彼らの専門知識は、当社の技術、設計、開発、および顧客サポートの能力を強化するものだ」としている。なお、買収後に製品の廃止または販売を終了する予定は一切ないとしている。
なおルネサスとSiTimeは、SiTimeのMEMS共振器をルネサスのマイコンやSoC(System on Chip)に統合するパートナーシップを検討するためのMoU(覚書)も締結している。
ルネサスのCEOである柴田英利氏は「今回の取引完了は重要な節目だが、SiTimeとの歩みはまだ始まったばかりだ。今後は、SiTimeのMEMSレゾネーターをルネサスの組み込みコンピューティング製品へ統合し、次世代のインテリジェントデバイスを実現するための戦略的協業を模索していく」とコメントしている。
柴田氏はSiTimeの取締役会メンバーに就任する予定だという。
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