富士キメラ総研は、イメージング&センシング関連の世界市場を調査。この中で、カメラモジュールなどの光学ユニット市場(10品目)は、2020年見込みの5兆5967億円に対し、2026年は8兆9781億円規模になると予測した。
富士キメラ総研は2021年2月、イメージング&センシング関連の世界市場を調査し、その結果を発表した。この中で、カメラモジュールなどの光学ユニット市場(10品目)は、2020年見込みの5兆5967億円に対し、2026年は8兆9781億円規模になると予測した。
今回の調査は、イメージング&センシング関連のデバイス・材料・装置として、「光学ユニット」10品目や「半導体デバイス」6品目、「光学部品」4品目、「光学関連材料」4品目および、「光学関連装置」2品目の計26品目を対象とした。また、これらを搭載するアプリケーション16品目についても市場を分析し予想した。調査期間は2020年8〜11月である。
調査した市場の中で、最も大きいのが光学ユニット分野である。ここにはスマートフォンや車載用のカメラモジュールおよびレンズユニット、ヘッドライトシステム、LiDAR、マシンビジョンカメラなどが含まれている。スマートフォン自体の需要は横ばいとみられるが、多眼化などが需要を押し上げる。自動車向けは新型コロナウイルス感染症の影響で一時的に縮小するが、将来的には需要拡大が期待できる領域である。
この中で注目デバイスとして挙げるのが、「車載カメラモジュール」や「モバイル機器用レンズユニット」である。車載カメラモジュール(ドライブレコーダー向けは含まない)市場は、2020年見込みの4820億円に対し、2026年は9930億円と予測した。
モバイル機器用レンズユニット市場は、2020年見込みの7418億円に対し、2026年は1兆410億円となる見通し。今後は1レンズユニット当たり8〜9枚のレンズを搭載する可能性があるという。
光学ユニットに次ぐのが、半導体デバイスの市場である。規模が大きいエリアイメージセンサーの他、ToFセンサーやVCSEL(垂直共振器面発光レーザー)などが含まれる。2020年見込みの2兆8587億円に対し、2026年の市場規模は4兆4391億円と予測した。スマートフォン向けの需要拡大は今後も続く見通しだ。
この中で注目しているのはToFセンサー市場。2020年見込みは1036億円とまだ小さいが、2026年には3200億円と約3倍に拡大すると予測した。スマートフォンなどモバイル機器における距離検出などが主な用途である。
この他、光学部品の市場規模は2020年見込みの1兆1953億円に対し、2026年は1兆2386億円と予測した。スマートフォンの多眼化や搭載レンズの枚数増加などが光学レンズの需要を押し上げる。監視カメラ向けも好調に推移するとみている。
富士キメラ総研が、注目する応用分野として挙げたのは、「一般車両用ドライブレコーダー・ダッシュカム」などである。ドライブレコーダーは、車両の周辺状況や車内の様子を撮影し、その映像を自動的に録画する装置である。市場規模(生産ベース)は、2020年見込みの2600万台に対し、2026年は4465万台になると予測した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.