先週、半導体業界ではM&A関連ニュースが相次いで報じられました。
この記事は、2021年8月30日発行の「電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン」に掲載されたEE Times Japan/EDN Japanの編集担当者による編集後記の転載です。
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先週、半導体業界ではM&A関連ニュースが相次いで報じられました。まず、2021年8月26日(米国時間)、Analog Devices(以下、ADI)のMaxim買収がついに完了しました。
2017年には、Linear Technology(以下、LTC)を148億米ドルで買収したADI。Maximの買収はそれを上回る巨額買収となりました。両社は製品群でもターゲット市場でも補完関係にあり、買収理由には納得がいくものの、発表当時から、アナログ半導体市場の寡占化が進むなどと批判的な意見が少なくなかったものですが、同年8月23日、残っていた中国の国家市場監督管理総局からの認可を取得し、手続きが予定通りに完了。「直近12カ月の収益では90億米ドル以上、フリーキャッシュフローは30億米ドル以上」という規模の巨大アナログ半導体企業が誕生しました。
IC Insightsが2021年6月に発表したアナログIC売上高の企業別ランキング(IC Insightsは、WSTS(世界半導体市場統計)による定義に基づいてアナログICを分類。具体的には、ICに搭載された回路のうちアナログ回路部分が全体の50%以上を占めるものをアナログICとしています)をみると、ADIは2位で売上高は51億米ドル、Maximは7位で20億米ドルであり、合計すると71億米ドル。1位のTIの売上高109億米ドルにはいまだ及ばないものの、倍近くあった差が買収によって大きく縮まることとなります。
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