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ルネサス、32ビットマイコン「RX140」を発売タッチセンシングユニットを搭載

ルネサス エレクトロニクスは、従来品に比べ処理性能を約2倍に、消費電力を30%以上も低減した32ビットマイコン「RX140グループ」を発売した。最新の静電容量式タッチセンシングユニットを搭載することで、ノイズ耐性やセンシング精度を高めた。

» 2021年10月04日 09時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

RXv2コア搭載、従来比で処理性能は約2倍、消費電力30%以上削減

 ルネサス エレクトロニクスは2021年9月、従来品に比べ処理性能を約2倍に、消費電力を30%以上も低減した32ビットマイコン「RX140グループ」を発売した。最新の静電容量式タッチセンシングユニットを搭載することで、ノイズ耐性やセンシング精度を高めた。

 RX140グループは、32ビットマイコン「RXファミリ」のエントリーモデル「RX100シリーズ」の新製品となる。最大動作周波数が48MHzのRXv2コアを搭載。CPUコアのベンチマークテストは204CoreMarkで、従来のRX130に比べると約2倍の処理性能になる。

 消費電流も抑えた。CPU動作時で56μA/MHz、スタンバイモード時は0.25μAと従来に比べ30%以上も少ないという。CPUの動作を停止したまま、周辺機能を動作させることができるスヌーズモードを搭載。間欠動作が多い用途などでは、電力消費を最小限に抑えることが可能である。

 もう1つの大きな特長が、最新の静電容量式タッチセンシングユニットを搭載したことである。放射ノイズ耐性評価で「IEC/EN61000-4-3レベル4(放射イミュニティ)」および、「IEC/EN61000-4-6レベル3(伝導イミュニティ)」の要件をクリアしており、ノイズの影響を低減できる。

 また、「マルチスキャン機能」と「自動センシング」を搭載しており、複数電極の同時計測を行うことで感度が向上。スタンバイモード時でもタッチの自動検出が可能となり、タッチレス操作や近接センサーの開発が比較的容易になるという。

 この他、I/Oポートの強化、CANへの対応、AES暗号アクセラレーターと真性正乱数発生器(TRNG)搭載でセキュリティ機能を強化、といった特長を備えている。もちろん、端子配置やタッチ用端子などはRX130と互換性を保っている。

RX140の外観 出所:ルネサス

 RX140は、メモリ容量が64kバイトで32〜64端子品の量産を始めた。2022年2月以降は128kバイト以上の製品も用意し、順次発売していく予定である。参考価格(税別)は、メモリ容量が64kバイトで、64端子LFQFPパッケージ品「R5F51403ADFM#30」の場合、1万個一括購入時で単価は1.02米ドル。家電製品や産業機器、ビルディングオートメーション製品などの用途に向ける。

 RX140の評価用ボード「Target Board for RX140」も用意した。Pmodコネクターを搭載しているため、容易にセンサーモジュールを取り付けることができる。さらに、2022年2月をめどに、RX140搭載の「静電容量タッチ評価システム」を提供していく予定である。

 ソフトウェア開発環境としては、従来の統合開発環境「e2studio」、コード生成支援ツール「Smart Configurator」、静電容量タッチキー開発支援ツール「QE for Capacitive Touch」などが利用できる。ルネサスの製品群を組み合わせたソリューション「ウィニングコンビネーション」も用意していく。

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