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» 2022年01月13日 10時00分 公開

半導体不足の中で存在感示したコアスタッフ、22年は「多様化するニーズに応える」コアスタッフ 代表取締役 戸澤正紀氏

オンライン通販サイト「CoreStaff ONLINE」を運営する商社であるコアスタッフは2021年、同サイトの新規登録顧客数が2倍になるなど半導体/電子部品需要の急増を背景に、飛躍的に事業規模を拡大させた。顧客層の拡大に伴い、オンライン販売に求められるサポート要求もより高度化するとともに多様化。「2022年は、そうした多様なニーズに幅広く応えていくため、組織力強化、サポート体制の拡充を図っていく」とするコアスタッフ代表取締役戸澤正紀氏に事業戦略を聞いた。

[PR/EE Times Japan]
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新規顧客登録数が2倍に

ーー2021年は半導体/電子部品不足が続きました。

戸澤正紀氏 半導体/電子部品不足については、世間一般にいわれているように、2020年12月ごろから自動車業界を中心に顕在化し始め、われわれとしても2021年2月には、受注状況などのシグナルからはっきりと認識した。供給不足が顕在化した当初は2021年夏頃には、需給バランスがとれ、落ち着くとみていた。しかし、2021年秋に入っても、電子部品についてはだいぶ落ち着いたものの、半導体の需要は増加の一途をたどり、今も需要水準は高い値になっている。

ーー半導体/電子部品不足の中で、事業はいかがでしたか。

戸澤氏 2021年の業績としては、半導体/電子部品の旺盛な需要に支えられ、大きく伸ばすことができた。主力事業であるオンライン通販サイト「CoreStaff ONLINE」は、在庫を持っている存在として、急伸と言って良いほど、事業が拡大した。例えば、月々の新規顧客登録数は、半導体不足以前に比べ2倍になるなど、顧客/ユーザー数が大きく増えた。ただ、急激な需要の拡大に、供給が追い着かず、顧客に迷惑を掛けてしまった時期もあった。

 われわれのビジネスモデルは、多くの品種を小ロットから販売するビジネスモデルであり、どうしても人手を介するアナログな部分が多い。そうした中で、急激な需要拡大によって、より一層アナログ的な作業が増えてしまい、物流センターのリソース不足から受注件数が急増した2021年6〜7月ごろには、納期面で多大なご迷惑をお掛けすることになった。

 リソース不足が当社のボトルネックだと痛感し、急いで出荷能力の向上に向け一気にかじを切り、出荷作業を自動化するシステムの導入や人員増強、物流センターの稼働時間の拡張といった対策を実施し、9月には14時までの注文については当日出荷するという、通常の納期に戻すことができた。

オンライン通販サイト「CoreStaff ONLINE」の新規顧客数推移[クリックで拡大]

 同時に、受注件数の急増に伴い、お客さまのサポートを担当するインサイドセールスにも大きな負荷がかかったため、人員増強および、ITシステムの改良/刷新も行った。

 2021年は急増する需要に対応するため、できることは全て実施した1年だった。まだまだ完璧というわけではないが、2021年当初に比べると、出荷能力は1.2〜1.3倍ほど拡大し、昨今の旺盛な需要に応えられる体制を構築できたと考えている。

余剰在庫委託販売も好循環で飛躍

ーーメーカーから仕入れた製品販売とともに、顧客などから余剰在庫を引き受けCoreStaff ONLINEで販売する「余剰在庫委託販売ビジネス」を展開されています。

戸澤氏 余剰在庫委託販売ビジネスも2021年は飛躍的に規模を拡大することができた。供給が不足する中で、余剰在庫を買い求める顧客はとても多かった。また、余剰在庫を抱える方々に「今なら売れるかも」というマインドが広がったことで、委託される件数も大きく伸び、よい循環が生まれ、事業規模が大きく拡大した。

余剰在庫委託販売ビジネスの概要[クリックで拡大]

 今後は、海外拠点を通じて、海外の工場での余剰在庫を引き受け、CoreStaff ONLINEを通じて販売することで、さらなる事業拡大を図っていきたいと考えている。

ーー半導体不足の中で、調達面では苦労される場面が多かったのではないでしょうか。

戸澤氏 常に苦労したものの、従来から取り組んできた調達力強化策が功を奏したケースも多かった。例えば、米国、ドイツ、中国、香港、タイと5つの海外拠点を生かした調達網の活用が挙げられる。各海外拠点では販売活動以外にも、現地商社の在庫情報を取得する活動を行い、CoreStaff ONLINEで販売する仕組みを構築してきた。今回の半導体不足においては、こうした従来から築いてきた調達ソースが大きく機能し、より多くの需要に応えることができたと考えている。

緊急調達/解析センターについて[クリックで拡大]

多様なニーズに応えられる体制を構築する1年に

ーー2022年の半導体/電子部品市場の見通しはいかがでしょうか。

戸澤氏 需要拡大を受けて、半導体/電子部品メーカーは2021年春以降、供給量拡大に向けた新工場建設などの投資を実施している。そうした投資の本格的な効果が表れてくるのは、2022年夏ごろになるだろう。そのため、2022年夏ごろには、ある程度、需給バランスが均衡してくるのではないかとみている。

ーー2022年の事業テーマについて教えてください。

戸澤氏 多様なニーズに応えられる体制を構築する1年にしたいと思っている。

 半導体不足という状況が続き、これまでメーカー直販や旧来の正規販売代理店からしか半導体/電子部品を調達していなかった大手企業を中心とした方々が、われわれのようなカタログディストリビューター/オンライン販売を通じて、マーケットから半導体/電子部品を購入されるようになった。

 半導体不足以前からオンライン販売を利用してきたユーザーは、オンラインと、メーカー直販や商社で、使い分け、買い分けを行ってきた。しかし、今回の半導体不足の影響で、オンライン販売を利用し始めた顧客は、オンライン販売にも、メーカー直販や商社から購入する場合と同じ水準のサポートレベルを要求する傾向が強い。具体的には、有害物質調査や文書対応、技術サポートなど多岐にわたるさまざまなサポートを求められるようになった。依頼されるサポートが高度になった上、顧客ごとに要望は異なり、幅広いサポートを提供する必要があると感じている。そこで、2022年は、こうした多様化したニーズに応えられる体制を作っていきたいと思っている。

ニーズをくみ取り、幅の広いサポート業務を提供へ

――多様なニーズに応えるための施策について教えてください。

戸澤氏 1つの取り組みとして、組織力の強化を進めていく。組織構造を大きく変えるわけではないが、顧客のニーズを的確にくみ取るために組織を強化していく。

 当社ではサポートに関わる部門として、外勤営業のアウトサイドセールスと、主に顧客サポートの中心を担うインサイドセールス、受発注管理を行うオペレーションという3つがある。多様なニーズに応えていくには、インサイドセールスが中心を担うことになるが、旺盛な需要が続く中では、インサイドセールス部門も、どちらかというとオペレーションに近い業務を担当せざるを得なくなっていた。そこで2022年は、改めてインサイドセールスを本来の役割である顧客サポートに集中できる組織作りを進めて、顧客ニーズをしっかりつかみたいと考えている。

 その上で、われわれが提供できるサポート業務を強化、拡充していく。これまでも提供してきたが、有害物質や不具合の解析機能や文書対応などのサポート業務を一層強化し、メーカーや商社と遜色ない水準に引き上げていく。当社の強みの1つである偽造品や不良品解析機能もより充実させていく。

 半導体が不足する中で偽造品が多く出回っており、偽造/不良品解析に期待して、コアスタッフを利用してもらう顧客もとても多い。顧客の中には、マーケットで製品を見つけたものの真贋が疑わしいので、当社が顧客に代わってマーケットから購入して真贋判定をして納品してほしいという要望も多くある。当社の真贋判定機能を信頼されている表れでありうれしく思うものの、裏を返せば、まだまだ当社が見つけられていないマーケットの製品は多くあるということであり、新たな調達先開拓も継続的に行っていく。

取り扱い商材の拡大、バッファー在庫管理受託サービスの提供も計画

――半導体/電子部品以外の商材の取り扱い強化も進められていますね。

戸澤氏 2021年から「Cross The Border戦略」として、半導体・電子部品の境界線を越えて、取り扱い商材の幅を工場で必要とされる製品全般へと広げる取り組みを行っている。

「Cross The Border戦略」(事業/取り扱い商材領域拡大)のイメージ

 2021年10月には、工場用副資材大手のトラスコ中山と業務提携を締結し、トラスコ中山の取り扱い商材約40万点を、CoreStaff ONLINEでも購入できるようになった。半導体/電子部品と、工具や機械部品、作業着など工場保守用品/消耗品の双方を扱う通販サイトは数少なく、ワンストップで購入できる利便性をユーザーに提供していく。今後もさまざまなパートナーとの協業を予定しており、取り扱い商材を一層広げていく。

ーー2022年に開始を予定している新しいビジネスはありますか。

戸澤氏 新しいビジネスとして、顧客のバッファー在庫をコアスタッフが保有、管理するサービスを提供しようと考えている。

 今回の供給不足を受けて多くの顧客は、在庫を極力圧縮するジャストインタイム(JIT)という考え方から、ある程度のバッファー在庫を保有しておこうという考え方にシフトしつつある。ただ、バッファー在庫を持つのは簡単なことではなく、企業によっては標準部品だけでも1万〜2万点ある。こうした膨大な種類の部品の全てでバッファー在庫を持つのは難しい。顧客側で標準部品の絞り込みを進めるだろうがそれでも在庫管理は難しいだろう。

 そこで、われわれが顧客ごとにカスタマイズした形でバッファー在庫を保有するサービスを提供する。当社の倉庫にバッファー在庫を保有し、ある一定期間は顧客向けに確保しておき、顧客は自由に引き出せるようにし、期間が過ぎた後はCoreStaff ONLINEの商材として販売するという形のサービスを検討している。当社でこれまで培ってきた、デマンド予測に基づく調達/在庫管理ノウハウを応用し、各顧客のこれまでの購買動向などに応じた適正なバッファー在庫量なども提案できればと思っている。まずは、数社の顧客とパートナーシップを結んで検証、トライアルをしたいと思っており、現在パートナーを募っているところだ。


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提供:コアスタッフ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2022年2月10日


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